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2012.12.23

「レ・ミゼラブル」

お話については、世界中で読まれている名作だから、何も言う事はない。といっても、ほとんど忘れてしまっているので、改めて、こういうお話だったかと確認できた。現代とやや異なる価値観も垣間見られるものの、ジャン・バルジャンの生き様を中心に据えて、現代に通じる部分を前面に出している。以下ネタバレというほどでもないが。


この映画の中で私が一番感動したのは、銀の燭台の場面。お話の早い段階で、クライマックスでもなんでもないのだが、ここが最高だ。前科者のジャン・バルジャンに一夜の宿を供した神父が、翌日、彼が盗んでいった銀器を官憲に見せられて、「それはこの方に差し上げたのですよ」と言う。さらに驚くべきは、教会に残っている最上の燭台まで、「あわてていたのでしょう、これをお忘れですよ」と言って、バルジャンの革袋に入れてやる場面。
これが、普通、できない。

目の前で死にかけの人間がいたら、なんとか助けようとはするだろう。それはごく自然な感情だ。しかし、この銀の燭台の場面は、それとは質が違う。しかも、神父はその行動をとっさに取っている。キリスト教が世界的な宗教になった理由は、政治と結び付けた様々な見方もあるようだが、本質の部分はこの場面に凝縮されているように思う。

さて、この体験を経た後のジャン・バルジャンの行動が、お話の流れをつくっていく。他の登場人物たちは、ジャベール警部にしろ、ファンテーヌにしろ、その引き立て役、あるいは導火線に過ぎない。とはいえ、それぞれのエピソードがまた泣かせる。お約束もここまで純化されていれば、それはそれで受け容れ易い。

ミュージカルは、台詞の代わりに歌という形式を取ることで、自然な口調では歯が浮いてしまうような言葉も織り込むことができる。その点はこの映画ではうまく生かされたように思う。もっとも、ジャベール警部の最期などは、歌とはそぐわない感じは残る。これは次に同様の試みをするときの課題だろうか。

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