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2012.10.14

「推理作家ポー 最期の5日間」

Googleで検索しても公式サイトが見当たらない。あまり一般向けではないのだろうか。ポーの作品をよく知っているなら、蘊蓄だけで楽しめそうだが、さてどうだろうか。以下ネタバレ。

Wikipediaで復習すると、ああなるほどと思うのだが、見ている最中はよくわからない。江戸川乱歩なら、小学校の図書館にあった全集は全部読んだ。萩尾望都「ポーの一族」のエドガーはもちろん彼の名からとっているのだろう。その程度には知っているものの、エドガー・アラン・ポー自身の著作は残念ながら読んだ記憶がない。

にも関わらず、どこかで見たような気がするのは、この作家の後世への影響の広さを示しているのだろう。この映画でも、さらわれた女性が狭い空間に閉じ込められ上から土をかけられたりするのは、「アッシャー家の崩壊」の妹のイメージだし、最初の母娘の密室殺人は「モルグ街の殺人」だし、犯人の手掛かりから居場所を割り出す込み入った手続きは「黄金虫」だし、そもそもこの映画の原題「Raven」は代表作「大鴉」そのままだ。しかもそれが作中ではアレに使われている。

  "Hello Raven"

おっとネタバレはそこまで。

この映画でなかなかよいのは、警察の指揮官であるレイノルズ。かれの好漢ぶりは、暗く病的なこの映画にどうにか救いを与えている。ルーク・エヴァンス、やっぱりかっこいいわ。
「レイノルズ」の名前は、ポーが謎の死を遂げる直前にうわごとのように繰り返していたとされるそうだが、作中ではそれもうまく消化している。

最初に構成をきちんと決めて書きだされる小説もあれば、最初にキャラクタを立てることに集中して、あとはそれらが勝手に動き出すという小説もあるそうだが、この映画はその、作品と作家自身との関係について、投げ掛けをしている。結局、ポーの最期はそれで決まる。

少々意味不明だが、エドガー・アラン・ポーなら、そういう最期もあり得たかもしれないという一本。

Pic01


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