« 「アベンジャーズ」 | Main | 上野界隈散歩120825 »

2012.08.18

「THE GRAY 凍える太陽」

リーアム・ニーソンが主演というのはあまりないとは思うのだけれど、この映画であれば確かに彼が適役かもしれない。何か心に抱えている人は、見て得るものがあるかもしれないが、一般向けとは言い難い。以下ネタバレ。


最近はどの映画館も、上映前に携帯を切らせるために、本編映画のシーンを切り張りして、台詞を後付けし、携帯の電源を切れメッセージを面白おかしく発信する。最初にうまいなと思ったのは北野武の「座頭市」バージョンだった。「まだ・・斬ってない奴がいる」というアレだ。古すぎて誰も覚えていないか。

この THE GRAY のバージョンもなかなか秀逸。墜落した飛行機の事故現場で、けが人をゆすったり、死体のポケットをまさぐったりしながら、「携帯鳴らしてるのどいつだ、お前かっ!お前かーっ!」と、リーアム・ニーソンが鬼のような形相でやっているので爆笑。それで、見てみようと思ったのだった。費用もかからず、なかなかうまい宣伝だ。

映画本編は、サバイバルものの一種。見るのは久しぶり。あまりにもシンプルなストーリーで、サバイバルゲームのような陰謀や政治などの人為的なものは一切入らない。純粋に、自然の猛威の前に、風前の灯となりながら、メンバーが力尽きて次々倒れていく場面をひたすら描くという、どう楽しんだらよいのか難しい一品。GRAYが何を指すのかは始まって程なくしてわかる。

メンバーそれぞれの死に際に、様々な想念がよぎるのを、ひとつづつ丹念に看取っていく、という見方が多分いいのだろう。怪我や病気、事故などで、誰もが望まずに死んでいく中で、ひとりだけ、痛めた足が動かせなくなって、自ら死を受け容れる男がいた。まだ歩ける者たちと、座り込んだこの男とのやりとりが、この映画のひとつの見どころといえば、そうだ。人間、時には諦めも肝心。しかしまた、主人公のように全力で抗うのもよし。それを象徴しているのが、作中に何度か登場する4行詩。

ところどころ凝ったつくりを感じさせるが、いずれにせよ、あまり一般受けはしないだろう。好き者は我慢のつもりで見てみるのもいいかもしれない。


Pic02


|

« 「アベンジャーズ」 | Main | 上野界隈散歩120825 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「THE GRAY 凍える太陽」:

« 「アベンジャーズ」 | Main | 上野界隈散歩120825 »