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2012.08.16

120813北関東北信行記

起きると雨。テントは濡れたまま畳んで防水カバーに入れてしまう。どうせ次の宿営地で広げれば乾くので問題ない。6時発。白根山方面へ。

標高が上がって雲を抜けると晴れる。ここはいつ来ても絶景。写真はホワイトバランスの自動調整が効かずに、手前の山肌が黒くなっているが、実際には鮮やかな緑。雲の眩しい白とのコントラストが美しい。ちょっと走っては止まって写真を撮る。雲が尾根を速い速度で呑み込みながら追ってくる。
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湯釜方向を見れば、3つの植生が比較できる。一番奥の湯釜に近いところは硫黄混じりの岩肌。その次が植物のまばらな岩。一番手前は普通の緑。ここも好きな風景のひとつ。来る度に撮ってしまう。
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隣の弓池を軽く一周。三脚とカメラで鳥の朝食風景を狙っている人が複数いる。
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ここは軽く切り上げて北上。志賀高原に差し掛かる。ここから山田村方面、渋温泉方面はそれぞれ行ったことがあるので、今日は野沢方面に向かう。カヤの平が今日の目的地だ。冬には3~4Mの積雪があり、道は閉鎖となる。その細道をずっと行く。この季節は草いきれでむせるようだ。途中の分岐で、秘境と言われる秋山郷へ向かう道もあるが、それは次のお楽しみ。
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昼前にカヤの平到着。日本離れした光景と聞いていたが、そのとおりの広々した風景。少し北海道を思わせる。テントサイトは、草原とブナ林の中の両方がある。林の中に設営。
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ロッジが併設されており、管理人の男性は関西弁のまめな人。ブナ原生林の中を縫うハイキングコースの説明をてきぱきと丁寧にしては、ハイカー達を送り出していく。地図をもらって歩き出してみる。

ブナの葉は明るい。大木の落ち着いた幹の色とよく合う。ところどころ若木の真っ白で細い幹が目立つのが美しい。台風で折れた老木の黒さもアクセントだ。こうした老木も、きのこの苗床になり、分解され、やがてきれいに土に帰る。そうしてブナの林は美しさを保つ。解説にはそうある。
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日本海側の積雪の多い地域に、かつてブナ林は広く見られたが、戦後、投資目的の杉や松の植林によって多くが失われた。その杉林も、時代の流れについていけず、間伐等維持費用に売価が釣り合わずに行き詰っていると聞く。なんとも残念なことだ。

下生えのササが勢力を増すと、ブナの幼木は成長できず、林の中にぽっかりと空地ができるそうだ。それではいずれブナは駆逐されササの天下かというと、なぜか十年に一度くらい、ササは自ら一斉に枯死するという。そこでブナにもチャンスが巡ってくるのだそうだ。不思議なことだなあ。ササの方も、ときどき河岸を変えようとか思うのだろうか。

ハイキングコースの終点は湿原。その先100Mほど急坂を登ると、一応山頂の標識もあるが、見晴らしは全くない。地図にそう書いてあっても、運動がてら行ってみるのが天邪鬼である。途中出会った障害者を含む集団は、この最期の100Mを登るか否かで意見の相違があったようで、先に登り始めた私の後を、一部の者が追ってきたところを見ると、二手に分かれたようだ。積極的な行動が報われことなど稀なのだが、まあ、歩いてみた者にはそれなりの満足感や達成感はあるだろう。彼らが仲間のところへ帰って、頂上はあったが何も見えなかったと報告する様子を思い浮かべて、つい、にやりとする。冒険者に幸いあれ。
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テントに戻って、汗だくのシャツを着替えてさっぱりする。今日はもう十分歩いたから、あとは何をしよう。ここはまったくの山の中で、コンビニすらない。飲み水を切らしたのにかこつけて、ちょっと木島平か飯田までバイクで行ってみようか。30分ほどで飯田市街に。D2やシマムラなどが集まっているあたりで買い物をする。食品スーパーには盆休みで親族が集まるのに備えたケータリング類が並んでいる。刺身盛り合わせなど、ボリュームたっぷりの上、えらく安い。ちょっと驚いたのは明太子の1パックの量。生モノで保存は効かないはずだから、この分量を1~2日で消費する需要があるということだろう。大家族は健在ということか。
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続いて飯田駅まで足を延ばしてみる。仁王門というものをつくろうとしているようだ。すぐ近くには新幹線の駅を建設中。
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* * *

盆地の中心あたりを千曲川が流れていて、方向感は掴みやすい。ランドマークとして橋もある。しばらく地図なしで走り回ってみる。WiMAXの電波は来ていないようだ。
さて町の空気も吸ったことだし、日も暮れるので、山へ帰るとしよう。

夕飯はロッジで。ハンバーグ、テンプラに鍋という定番で、久しぶりにずっしり食べる。管理人がいろいろ話題を提供してくれる。冬季は道が閉鎖になるから、ロッジの営業も4月~10月くらいまでだけ。いまはキャンパーが主だが、夏休みが終わると秋までの間はカメラマンが多くなるとか。早朝にカヤの原で見られる霧が、人気の被写体だそうだ。そのほか、地元TVの取材が来た話とか、姉妹都市か何かで調布市議一行の視察の話とか。

日も暮れて、明かりも消したテントの中で風を聞きながらごろごろしていると、子どもたちが肝試しとかで暗い林の中に入ってくる。最初に男の子チーム。人のテントをライトで照らして、このテントじゃない・・などと相談している。眩しいからやめて。

目印の札か何かを取りにいくのだろう。目的地には当然脅かし役が隠れている。左手の方角から男の子「ねー場所どこー」。右手、雲が明るい原っぱで待っている女の子チーム「もっと左ー。がんばってー」。男の子チーム、さらに奥の暗い方へおっかなびっくり向かう。しばらくして彼らが消えた方向からいきなり「ぎゃー」と悲鳴。女の子チーム、それを聞いて笑い転げる。こっちもおかしくてついクスリと笑う。がんばれ男の子チーム。

やがてそれも終り、寝静まる。雲があるので星は見えない。この山中なら、晴れればさぞかしきれいな星空だろう。次はそういうときに来たい。

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