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2012.08.16

120812北関東北信行記

4時半頃起きて撤収、雨が少しぱらついている。6時出発。
朝は7時前の静粛制限というものがあるそうで、ゲートの外までバイクを押して、暖気は短めに、そっとスタート。それでも、もう早起きして散歩している人がいる。朝の光がとても綺麗。下手な写真は相変わらず、この美しさの100分の1も出ない。榛名山へ向かう道へ出ると、空は晴れ。どこまでも真っ直ぐな道。過去の火山活動の結果、奇岩が多い。

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ほどなくロープウエイの駅に到着。当然、まだ開いていない。最初の便まで3時間もある。昨日調べたら、歩いても小一時間ほどのようだから、登り口を探すことにする。少し行くと案内所があり、当然まだ閉っているのだが、その石段前に、ライダー風の男が腰かけている。横には2ストレーサー仕様のオフロードバイク。挨拶を交わした後、藪から棒に、これから下へ下るかと聞いてくる。話を聞いてみると、エンジンが焼き付きを起こしてしまった由。2ストではありがちだが、この朝っぱらからか。オイル入れ忘れたなw。渋川駅まで送ってもらえないかというので、二つ返事で引き受ける。

二人乗りは何十年振りか。バイクで後ろに人を載せるということは、大袈裟ではなく、その人の命を預かるということだ。超安全運転でいく。幸い天気もよく道もあらかた乾いている。昨日立ち寄った駅までの道も分かっている。道すがら言葉を交わすと、地元の人らしい。この辺りにもともと住んでいて、今は少し街中に引っ越したのだが、休みになると勝手知ったるこの辺りへ走りにくるそうな。オフロードバイク向きのコースがいろいろあるらしい。これはいいことを聞いた。次来るときはそれ目的でいこう。
30分ほどで駅に到着。お礼をよこそうとするので、先月自分も山道で人に助けてもらった、そのお返しだと言って気持ちよく分かれる。

戻りは少し飛ばして、もとの案内所へ。朝早いのにスポーツカーが集まっている。車好きの集まりだろうか。先刻見つけておいた登山口から、登り始める。

あまり使われない道らしく整備はされていない。黒い土は昨夜の雨でぬかるんで滑る。道の真ん中に木が生えていたり。45度くらいの斜面を真っ直ぐ登るような道筋があったり。大きなナメクジが道を横切っていたり。ダイセンヤマナメクジというやつだろうか。
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息を切らせて40分ほどで山頂に到着。

* * *

榛名山は、姿形が駿河の富士に似ていることから、富士山と同じ木花咲耶姫が祀られている。鳥居は最近新築されたものらしい。
クラッカーと水で休憩をとっていると、アゲハが来て目の前の草にとまった。そのまままったく動かずにいる。翅に小さな羽虫がとまってもまるで意に介さない。卵でも生んでいるのだろうか。20分ほどもそうしていたが、ようやく動き出したロープウェイの最初の客がどやどやとやってきたのを感じたのだろうか、突然飛んで行ってしまった。
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下りも同じ道を、3分の1くらいの時間でかけ降りる。湖畔はもう起きだしていて、乗馬や馬車などが客を載せて周遊に出掛けたりしている。のんびした活気。
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土産屋など冷やかしながら汗を乾かした後、ゆるゆる出発。少し南へ下っていけば軽井沢だが、汗臭いバイク一人旅で足を踏み入れるところでもない。北寄りに草津を目指す。

* * *

途中、吾妻(あがつま)あたりで直売所を見掛けて寄ってみると、野菜果物が安い。桃とトマトをゲット。東京に出てくるものは、今年は果物が高い割にトマトが妙に安い。果物化の品種改良が進んでいるのだろうか、種類も多くなっている。もちろん、農村の直売所はさらに美味くて安い。キュウリなど、街中の値段との違いに驚く。
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いい買い物をしてほくほくしながら更に行くと、不思議な建造物を発見。橋・・であることは間違いなさそうだが、どこか普通ではない。見たところ斜張橋だが、普通は鋼製のワイヤを使うところにコンクリートを使っている。もちろん、コンクリートが引っ張り力に耐えられるわけはないから、中には鉄骨かワイヤが入っていて引張り応力を負担し、コンクリートは被覆として使っているのだろうとは思う。それにしてもあまり見かけない面妖な構造物だ。いろいろ新しいものを試して見るのはいいことではあるけれど。
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* * *

昼頃に草津到着。まずいつもの場所にテントを設営してから、身軽になったバイクを走らせて湯畑へ。ここは、時間帯を限って日帰り湯を受け付けてくれる宿が多いので、それも毎度の楽しみだ。この前入った奈良屋もよかったが、今日はその隣の山本館に入ってみる。湯畑に面した木造4階建ての、古いがよく手入れされた落ち着いた宿。湯船は例によって地下にある。
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入ってみると、やや小振りの和風の浴室。隣の女湯は、外からの光で明るそうだが、そちらとの間を仕切る障子ガラスの欄間からの間接光だけが、こちら男湯の唯一の灯りだ。暗目だが清潔感のある板敷きの浴室は、よくありがちなぬめりもなく、宿の人の手が行き届いているのが感じられる。この板材は何を使っているのだろう。水に強い代表といえば栗材あたりだが、木目を見ると別の材にも見える。。

三つしかない洗い場の石の椅子に腰かける。隣では、言葉を覚え始めたくらいの男の子を、若い父親があやしながら洗っている。その子とふと目が合ったので微笑みを送ってやると、がぜん興味を覚えたらしく、父親の腕からこちらへ身を乗り出して、「あちゅいよ。これあちゅいよ」と、真顔で忠告してくれる。思わず父親と見交わして笑いがこぼれる。物おじしない利発そうな子で、見ていて楽しい。

湯は、あの超熱い白旗の湯から引いているそうだが、十分湯揉みされてほどよい温度。少し熱めが好きな私にはちょうどいい。父子が先にあがって一人になると、ほの暗く暖かい静寂が訪れる。温泉の醍醐味ここに極まる。来てよかった。
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* * *

のぼせる前に切り上げて、再び陽光の元へ。と思ったら、またも雨。折畳み傘をさして歩きだす間もなく雨脚が強まり、あれよあれよの間に底が抜けたような豪雨に。湯畑周囲の屋根付き休憩所から一歩も動けなくなった。急な坂になっていることもあるだろうが、雨水枡が簡単に溢れる。道路が川のようになって植木鉢が水流に押されて流れていく。

かれこれ30分ほどそうしていたろうか、さしもの豪雨も底をついたようで、急速に弱まり、晴れ間がやってくる。暑い日はきっと晴れと夕立の繰り返しなのだろう。

バイクを回収して、改装オープンした大滝の湯へ。こちらは基本設計は以前のまま、上階をやや温泉ランド風に変えたようだ。下階の合わせ湯は以前とあまり変わらず、壁天井を張り換えたくらい。前回は熱すぎて入れなかった一番熱い湯船も、今日は入れた。さきほどの豪雨で少し薄まったお蔭か。

風呂をあがってコインランドリーで洗濯。近くのコンビニで面白いボトルドウォーターを見つける。采水地がシンガポールと聞けば、おやと思うだろう。水は採るというより作っているはずだ。国内需要を賄うだけでなく輸出もするようになったということか。

乾燥に時間がかかるので、近くのスーパーも見て廻る。オランダ産アジの干物が、数年前の都会の値段で売っている。なぜかここ1~2年で、東京の食品スーパーでは急激に値上がりして手を出しにくくなったのだが、ここでは以前のままの価格だ。ということは、値上がりの原因は国内要因ということか。
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戻って早めに横になる。曇り続きで星空は見られないが、涼しいのでよく眠れる。

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