« 「ヴァルハラ・ライジング」 | Main | 「裏切りのサーカス」 »

2012.05.11

「ドライヴ」

「ヴァルハラ・ライジング」と同じ監督の作品。二週続けて同じ監督の同じような作品を見た。怒りと憎悪に暴力を添えているところは似ている。「ヴァルハラ~」が古武士の一生のように見えるとすれば、こちらは、洋ものの任侠映画と呼んで差し支えないだろうか。あるいは、前者を、子どもを護る漢のお話とすれば、後者は、女と子どもを護る漢のお話かもしれない。

主人公は堅気ではない。それが、普通のチャーミングな既婚女性に惚れ、そのまだ小さな息子との、ささやかだが平和な暮らしに憧れ、そのやくざな亭主を助けるために、暴力組織にひとり立ち向かう自己犠牲のお話。そういう筋が見えれば、わかりやすい。「疾走する純愛」とは言い得て妙。以下ネタバレ。

「ヴァルハラ~」の主人公は、はじめ憎悪によって駆動されていたが、こちらの主人公を突き動かしているのは、むしろ怒りと呼んだほうがいいかもしれない。この町に来る前にも、その怒りを抑えきれずに、やくざ組織と事を構えたのだろうことが、うすうす感じられる。その怒りは限度を超えて、ときに狂気のように発動する。それを、惚れた女に見られたあたりから、主人公の勝手な自己犠牲精神は盛り上がる。このあたりが、任侠と感じる所以。

男にとってはちょっとかっこいい映画かもしれないが、女の観客にとってはどうなのだろう。強くてかっこいい男に惚れられた女性は、はじめはまんざらでもないだろうが、黒い狂気を見てしまったあとは、かっこいどころではないかもしれない。

承知の上で、割り切って男向けに作ったであろう、潔さも感じられる作品でした。

|

« 「ヴァルハラ・ライジング」 | Main | 「裏切りのサーカス」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「ドライヴ」:

« 「ヴァルハラ・ライジング」 | Main | 「裏切りのサーカス」 »