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2012.05.13

「裏切りのサーカス」

ゲイリー・オールドマン。「レオン」で印象的な敵役の悪徳刑事を演じた人。でもこの作品では全然違う印象。それを見るためのような映画。以下ネタバレ。

冷戦時代のスパイというものが実際にどんな活動をしていたのか知らないので、「リアル」なスパイ映画と言われても、そうなの?というくらい。MIシリーズとか007シリーズみたいに鉄砲振り回すのはつくりものだとわかってはいても、では実際はというと知らない、というのが本音。

謎解き映画かといわれると、敵を割り出すロジックと手法は、結局、案外単純だった。情報組織の幹部がほぼ全員、敵方とつながっていたというオチは笑えないが、情報組織なんてものは、金ばかり食うが実際はそんなものという英国流の皮肉だろうか。でも大英帝国を支えた力は、世界に広がった情報網が源泉だったそうだから、Intelligenceを馬鹿にしてもいけない。

エンディングで、主人公が諜報組織の長の席に座るのにあわせて、BGMのおわりの拍手が重ねられるのは、しかしやはり、最大級に皮肉っているとしか見えない。そういえば、他の幹部4人は処分されたとしても、「コントロール」の疑惑の5人のうちの最後に残った彼自身は、本当はどうなのか、何も明らかになっていない。

というわけで、疑いだすときりがない、変な映画。何か重要な点を見落としたのだろうか。

そういう不安に応えてかどうか、シャンテでは、2回目を見るときは1回目の半券を持っていくと千円でいいそうです。

そうそう、スパイといえども私生活はいろいろあって、というところが、少し本物っぽい。にもかかわらず、描写が少し絞られすぎてわかりづらい。東欧で殺されかけた諜報員が、最後に幹部の一人を狙撃したところで涙を流す理由などは、それを窺わせるシーンはたしかにあったものの、こちらの腹に落ちるような説明はない。主人公の手足となって業績をあげた若手が、探索の途中で同居人の身を案じて別れる台詞なしの一連のシーンなどもそう。

スタイリッシュと言うべきなのかもしれないが、観る側はそれらの背景を想像で補って、なおかつ謎解きにもついていかなければならないので、少し忙しい。

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