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2012.03.07

「キツツキと雨」

ひと月ほど前に見ていたのだが、引越しで忙しくて書けなかった。最初ははずれかと思ったが、お話が進むにつれて良くなっていく感じ。以下、思い出せる点だけ。

才能はあるが、予算その他の現実の制約の前に、一歩も進めずスランプに陥っていた若い映画監督が、田舎のごく普通の人たちとのコラボレーションを通じて、自己をきちんと主張することを覚えていくお話。だったと思う。

正しい自己主張の対極として、ジンクスを頑なに守ろうとする姿勢を、間違った自己主張として描いていたのがちょっと面白い。自己満足を捨てて、目の前の事実やつながりを大切にというメッセージだろうか。

そういうメッセージは、ありがちだから置いておくとして、この作品の本当のよさは、映画づくりの楽しさをとてもよく滲ませていた点だ。

エキストラに駆り出された田舎のおばちゃんたちが、映画という都会の文化に触れて、無邪気にはしゃいでいる様子が微笑ましい。ゾンビと戦う未亡人軍団になって気勢を上げているシーンなど、真剣だけれど屈託がない。その様子に感化されて、半ば不貞腐れていた映画づくりのスタッフたちが俄然やる気を出して、自らいろいろ提案し始めるところなどが少し感動的。文化の力って、そういう風にキャッチボールしながら伝染していくものなんだ。

気弱な映画監督を演じた小栗旬の、壊れっぷりの表現がわりと良かった。役所広司は、武骨な樵のはずが、映画撮影を手伝ううちに、そちらの空気に馴染み過ぎてしまったのがちょっと残念。本来は、最後までもう少し異色な存在であるべきなような気がした。ここは配役に少々無理があったのかもしれない。

とはいえ、大筋で悪くない一本でした。

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