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2012.02.04

「麒麟の翼 劇場版・新参者」

先週見ていたのだが、ちと遅くなった。東野圭吾原作を映画で見るのは、「レイクサイドマーダーケース」以来。小説の方では「白夜行」が好きなのだが、映画でその印象が壊れそうな気がして見なかった。本作の出来は、それなり。魅力的な俳優さんのおかげでもっている感じ。以下ネタばれ。

「レイクサイド・・」の時もそうだったが、全体構成がディテールを抑え込んでしまう感じが強くて、見ている方は「はあそですかまことにごもっともですな」という具合に、少し引いて見てしまう。というか、私にはそう見えた。

核心のテーマは、教育における事なかれ主義に対する批判なのだが、それを誘導する導入部と終結部に、恵まれた都会の若者に対置する形で、徒手空拳の若者の生き辛さを置いている。という構図が見え過ぎる、そして、その2つの間に有機的な関係がなさすぎる。それが、作品としての味わいを少々損なった感じがある。

事なかれ主義は、捜査官たちの間の形式主義と通底している。一方、事なかれ主義のために道を誤ったのが容疑者たちだが、その事情が次第に明らかになるにつれて、真実を追求する主人公たちの姿勢と、真実に再び向き合おうとする容疑者たちの勇気とが輻輳するのが、この作品のちょっといいところ。そして、その構図もまた綺麗に整理され過ぎているのが、惜しいところ。

理知的な物語が必ずしも感銘を与えるわけではないという、あたりまえだが少し残念な印象を残す映画でした。

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