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February 2012

2012.02.05

「ハンター」

想像していたのとはちょっと違っていた。以下ネタばれ。

上映時間の少なくない部分は、主人公がハンターとして罠を仕掛けるシーンに使われている。にも関わらず、その部分はやや退屈というか、ほとんど印象に残らない。主人公の闘いは、ハンターとして獣を相手にするものというよりは、人間のエゴを相手にするもののようだ。となれば、お話の筋もおおよそ読める。

作中の終りの方では、けっこう主要な登場人物があっさり死ぬから、娯楽作品と見るにはかなり違和感がある。自然に対する人間の卑小さを表しているのであれば、ひとつのスタンスではある。自然と向き合って生きているオージーの感性なのだろうか。よくわからない。

助演が多いウイレム・デフォーを主役に持ってきたことといい、主要人物のあっけない死といい、この映画からは何か独特の感性が放射されているようだ。ヒロインが、絶滅したと思われていたタスマニアタイガーの生き残りについて、「死んだ方がいいの」と言ったのが、象徴的だ。情緒的な環境保護とも、偏狭な開発主義とも違う何かが、そこから感じ取れる。

運命論的な態度と言うのは言い過ぎかもしれないが、少し醒めた目線を感じるのは私だけだろうか。彼女の最期も、まるで運命のままに、と言っているかのようだ。

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2012.02.04

「麒麟の翼 劇場版・新参者」

先週見ていたのだが、ちと遅くなった。東野圭吾原作を映画で見るのは、「レイクサイドマーダーケース」以来。小説の方では「白夜行」が好きなのだが、映画でその印象が壊れそうな気がして見なかった。本作の出来は、それなり。魅力的な俳優さんのおかげでもっている感じ。以下ネタばれ。

「レイクサイド・・」の時もそうだったが、全体構成がディテールを抑え込んでしまう感じが強くて、見ている方は「はあそですかまことにごもっともですな」という具合に、少し引いて見てしまう。というか、私にはそう見えた。

核心のテーマは、教育における事なかれ主義に対する批判なのだが、それを誘導する導入部と終結部に、恵まれた都会の若者に対置する形で、徒手空拳の若者の生き辛さを置いている。という構図が見え過ぎる、そして、その2つの間に有機的な関係がなさすぎる。それが、作品としての味わいを少々損なった感じがある。

事なかれ主義は、捜査官たちの間の形式主義と通底している。一方、事なかれ主義のために道を誤ったのが容疑者たちだが、その事情が次第に明らかになるにつれて、真実を追求する主人公たちの姿勢と、真実に再び向き合おうとする容疑者たちの勇気とが輻輳するのが、この作品のちょっといいところ。そして、その構図もまた綺麗に整理され過ぎているのが、惜しいところ。

理知的な物語が必ずしも感銘を与えるわけではないという、あたりまえだが少し残念な印象を残す映画でした。

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