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January 2012

2012.01.22

「善き人」

原題は”GOOD”。もちろん皮肉を含んでいる。善人が、見て見ぬふりや消極的賛成、さらに保身などを経て、結果的にどのように悪に加担する羽目になるかを読みとれる。以下ネタばれ。

ここで描かれている主人公は、表面的には確かに、”善き人”だ。しかし、落ち着いて考えてみると、これは善人というよりは、”模範的な人”と呼ぶのが正しい。身過ぎ世過ぎの中で、一応善いとされている模範的な在り方をなぞろうとして、自分を失う人の話。

なぜ自分を失うことになるか。世間が言う”模範”は、ときどき変わるから。短い一生の中でそれに合わせようとすれば、必然的にストレスを抱え込むことになる。不倫相手とパーティに現れて義父に叱責される主人公に、ナチ親衛隊の少佐は肯定的に言う。「遊びであっても、子を産んで国を強くするならよいでしょう。(不倫の相手が)アーリア人であればなおのこと。」

もちろん、偽悪的に模範から逸脱することがよいというわけではない。それは模範というものに囚われている点で、模範的であろうとするのと同レベルでしかない。

ナチスという団体は、制服やバッジなどの小物、所作などの小さなことから、報道や、映画や建築なども含んだ大きなものまで、様々なメディアを巧みに使って模範イメージを操作することで、ごく普通の善良な人々を絡め取っていったということを話に聞く。この映画にも、その象徴的なシーンが劇的に示されている。自分は肩書をもらっただけで魂まで売ってはいないと内心思っている主人公が、かつてのユダヤ人の友人を救おうと混乱する中で、ついに全員招集を受けてはじめて親衛隊の制服を着てとまどう、その傍らで、アーリア人の女が言う。「鏡の中のあなたを見て。」


さて、鏡の中の自分は今現在どのような地点にいるか。ひいてはそれを考える。そういう一本でした。

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2012.01.02

120101金時山行紀

金時山山頂で初日の出と富士を見ることにして、大晦日の朝から高速に乗って湯河原へ。8時半頃、小田原で降りて少し山側をぶらつく。伊豆大島がこんなに近い。雲が出ていて、明日の初日の出は期待できそうにない。
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小田原駅前に観光案内所があるようだが、箱根などの有名保養地に隣接して、やや影が薄そう。小田原は観光都市というよりは、普通に地方都市であるようだ。立ち寄ってはみたが早々に切り上げて湯河原へ向かう。幕山でキャンプの腹積もり。

・・だったのだが、キャンプはできなくなったらしい。幕山公園の多目的広場は、BBQだけの由。周辺が開発されてきているようで、普通の住宅も増えているから仕方がない。

湯河原駅前の観光案内所は手慣れた様子。宿を頼んでみるが温泉宿はどこも満員。空いているところも2名からの受付と言われてしまった。書き入れ時のようだ。

ファミレスで朝サラダをぱくつきながら、芦ノ湖キャンプ村へ電話するも誰も出ず。箱根観光協会に電話したら、年中無休のはずだという。だめもとで行ってみることにする。ついでに湯河原市街はUQ-Wimaxがつながることを発見。

明日は夜登山の予定だというのに、今頃になって、ヘッドランプを持ってくるのを忘れたのに気付く。山伏じゃあるまいし、星明りだけで暗い山道を歩くのは無理。海沿いの国道に家電量販店があったのを思い出して行ってみる。
ところが、最近は高単価や高利益率の品揃えに移行しているのか、昔風の安い懐中電灯は置いていない。おしゃれなランタンならあるのだが4千円とか。なんだかなー。昔は金物屋というものがあってだなと店員に説教してもはじまらない。

店員を解放してあげて、でもあきらめきれず、何か代用品はないかと一人で店内をぶらつくと、単三電池のまとめ売りをしているワゴンがある。なにげに通り過ぎてから、はっとしてよく見ると、電池16本980円のおまけが、小さな懐中電灯ですよ。おもちゃみたいなつくりだが、LED3個で十分な光量。即GET。金物屋がなくなるわけだ。おまけではね。

思うにこれは、レンズ付きフィルムと同じだ。レンズはおまけでフィルムと現像サービスが売り物。電池にしろフィルムにしろ、リピートがある消耗品に値がつく。機械の方は値段を付けるなら高機能多機能の高いもの。それ以外はおまけ。当然ながら、モノ不足時代の商売は壊滅する。


だいかんやま、で変換するのは代官山だけだが、大観山と一字づつ入れる。その大観山へ向かう途中、あられが降ってきてコンビニに緊急避難。空は晴れているのだが、これが山の天気というものか。箱根というと身近すぎてピンとこないが、れっきとした山であると再認識。
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展望台到着。周辺道路も含めて、元日は営業するようだ。以前来たときは、ここの閉まった扉の前で凍えていたような記憶があるが、世の中はずいぶん変わった。
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熊がこんなところにも出るのか。にわかに信じ難いが。。

芦ノ湖へ降りて行く。いつも思うのだが、箱根の標識はわかりにくい。芦ノ湖を円環状に囲む道路のせいもあるのだが、必ず迷う。道そのものを覚えるしかないのだが・・
箱根神社の横を通ると、まだ3時前だというのに車の列ができている。初詣にしては早すぎるが、何だろう。
箱根駅伝の歓迎の垂れ幕があちこちにある。大学名の垂れ幕を出しているホテルなども。

キャンプ村到着。ここも以前はいまひとつな感があったが、いまでは見違えるようだ。サイトはきれいに整備されて、客あしらいもきちんとできている。キャンプのイメージが、野趣を旨とするものから快適な自然を提供するものへ変わったということもあるだろうか。
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村内の浴場でみかん風呂というのをやっていると聞いて行ってみる。そういえば今年はゆず湯に入りそびれたのだった。大晦日に間に合うとはうれしい。

冬みかんやポンカンなど橙系の柑橘類で湯面が半分ほど埋まっている。湯の流れに沿ってみかんが攻めてくるといって子どもはおおはしゃぎ。周辺の温泉旅館の中には日帰り湯をやっているところもあるようで、キャンプ村の風呂にも目を引く工夫が必要ということか。

日も暮れたので寝る。新年の午前0時に、元箱根の方で花火が上がる由。こちら湖尻からは見えないらしい。
しんしんと更ける夜。標高700Mで大晦日に寒くないわけがないのだが、いろいろ準備してきたおかげで暖かい。下はウレタンマット2枚重ねで問題なし。上は持参した毛布でシュラフを包んでこれも上々。毛布はかさばるのが難点だが、貸出もあるとわかったので、次の冬からは持たずに来れる。

ゆく年くる年の時刻が近づくと、遠くで車やバイクの音が聞こえる。芦ノ湖スカイラインを爆走しているのだろうか。午前0時。寝ながら謹賀新年。花火の音が散発的に聞こえる。湖尻は山の斜面が両側に迫っていて、音がうわんうわんとこだまする。不思議な音体験。

少しまどろんで、3時半起床。金時神社へ向けて出発。わかりにくい箱根の標識と道に迷いながらも、どうにか到着。バイクは乗り捨てて登山開始。結構人がちらほら居る。家族連れや、犬を連れた人なども。はじめからしまいまでかなり急坂が続く。夜なので、状況は全くわからない。道は霜が降りている。ところどころ林が切れて眼下に町の明かりが見える。空には雲が掛かっているが、切れ目もあり、北斗七星が見える。どれも、スマホのカメラでは如何ともしがたい。
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光っているのが霜。
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あちこちのハイキングコースが合流するにつれ、人も徐々に増えてくる。途中、高齢者の初登頂ツアーにも会う。1時間20分ほどで山頂到着。
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山小屋でお汁粉を食べるうちに、空が白んでくる。外へ出てみると、残念ながら雲が出ていて、初日の出は無理そうだ。富士も見えない。金太郎の着ぐるみが記念撮影に応じていて黒山のひとだかり。初日の出がだめでも、観光客に満足して帰ってもらおうという努力はあっぱれ。
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山小屋に戻って、晴れ間を待ってみることにする。みやげものなど見ていると、特製あかざの杖が売り出し中。。。ニワトコの杖はなかった。
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ほかにも、皇太子殿下と雅子妃(たぶん)が登頂したときの写真などあり。まだ20歳前くらいに見える。

ここは毎年初日の出登山をする人が多いらしく、狭い小屋のそこここで再開と新年の挨拶が交わされている。隣あった人に話を聞くと、今年は少し暖かいらしい。昨年は雪が積っていたそうだ。

初日も富士も見られず、山小屋で雑談などしているうちにガスまで出てきて、さらに絶望的になってきた。今年はまあこんなものかと、山小屋を出て帰ろうとした矢先に、突然、ガスがさあっと晴れて、目の前に大きな富士の山が。

父さん!ラピュタは本当にあったんだね!
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遅ればせながら、初日らしきものも。
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何でもやってみなければ結果はついてこない。天気予報で曇りと聞いて、どうせだめだと登らなかったら、この景色は見られなかった。そして諦めずに粘ってみると、たまにはいいことが訪れる。


さて、下りは駆け足で30分ほど。凍っているところがあってすべる。
明るいところでみると、結構な急斜面。よく登ったなあ。
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テントを畳んで撤収。箱根神社へ寄ってお参り。
お社の裏手の林は、ヒメシャラの純林という珍しいものらしい。落葉樹なので冬は丸裸。
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箱根湯元のいつもの立ち寄り湯は、元旦は休み。ということで、あとは高速に乗ってまっすぐ帰る。

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