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2011.11.23

「コンテイジョン」

封切されてすぐ見に行ったけど、ちと感想を書きそびれていた。というのは、感染症をテーマにした映画は「28 days later」の印象が強くて、この人類の敵の態様と、感染の前と後で反転する人間関係の葛藤とは、もう描きつくされてきていると思ったから。おまけに、核戦争もテロも一服した映画界で、感染症は悪役の定番として定着した感じがあって、陳腐にならざるを得ないからだ。

だからこそ、この映画には、"contagion"のタイトルを病原菌と人の噂との両方に引っ掛けて、病原菌に負けず劣らずの、人の噂の広がりを描いてくれることを期待していたのだが・・残念ながら、その点では、物足りなさが残った。確かに、感染地域の封鎖とか、当局の人間から近親者への情報漏えいとか、ブロガー(笑)とか、商店や住宅街!の略奪とか、金融屋の暗躍とか、いろいろな要素を取り上げてはいたが、どれも中途半端な感じが残る。

代わりに、といってはなんだが、ウイルスの感染源を突き止めようとする科学者の行動を描写する方に、かなりの時間を割いてはいた。それはそれで面白いのだが、それが抗体の開発と全く連動しないのが、またまた肩透かしな印象になった。

おそらく、現実に社会に大きな影響を及ぼす感染症が広まるときは、この映画が描くとおり、さしたる感銘もなく、淡々と大量の人が死に、其処此処で治療薬をめぐって争いが起き、あやしげな対症療法の提唱者が信者を集め、軍と警察が出動し、右往左往しているうちに、免疫のある者だけがなんとなく生き残って、うやむやのうちに収束するという経過をたどるのだろう。映画になんかなりゃしない(笑)

むしろ、この作品は、来たるべき未来に備えて知識を得ておくための、ドキュメンタリーとして見るのがよいかもしれない。感染の速さはどの程度なのかとか、治療薬はどのようにして作られて、その配布はどう実施されるのか、全世界人口の1%が死ぬということが、どの程度の衝撃なのか、そもそも、感染源はどんなところに潜んでいるのか。(これを最後のシーンに持ってきた手法は、ちょっと上手いと思った)。
外ではきたないものに触らない、帰ったら手を洗いなさい、という母親の言いつけには、千金の重みがあるのである。あんまり守らずに生きてきたけど。(笑)

特にお勧めはしないけれど、豚インフルエンザのこともよく知らない私には、見方を変えればそれなりに勉強になった、と言えそうな、1本でした。

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