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November 2011

2011.11.26

Blogは終わってなかった

Google+やfacebookといった、いわゆるSNS(第一世代?)と、Blogとの違いは、タイトルの有無だ、と思うようになった。

Google+は実に機能的にできていて、その人のプロフィールを見ることで、一見、Blog的に使うことも可能に見える。しかし、そのストリームの各断片には、タイトルがない。

これの意味するところは、概念のBlackBox化ができない、ということだ。

ヒトは、事象や概念を理解・体得した後は、それを短い言葉に置き換えることによって、さらに複雑な概念を総体として把握できるようになる。圧縮された概念が、この小さな脳の中で互いに位置づけられ、そのグループにもまた言葉が割りつけられて、どんどん複雑で深い概念の森を形成していくのだ。

それを行うためには、概念を表象する短い言葉、タイトルが要る。
ストリームというものには、その重要な、タイトルという要素が無い。

これで、BlogとSNSの使い分けの方向性が、やっと見えてきた。


で、この文のタイトルだが、上記のようにしてみました。
これは、この前の記事のタイトルのエコーを、多少受けている。タイトルは、それ単独で孤立しているわけではなく、コンテクストをも多少反映しているのだ。

おもしろいね。

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2011.11.23

最後になるかもしれない雑記111123

どうも、雑記風のことはGoogle+の方が書きやすいのは明らか。
こちらのブログは、まとまった文章や映画の感想文を書く用途に特化しそう。

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「インモータルズ 神々の戦い」

これも、半月前に見て、あんまりの出来に感想を書きそびれていた。

”300”を前面に出した宣伝だったが、あれを超えるのは難しい。そもそもが、見たことのない切れのある映像を見せることに価値があるという種類のものなので、最初にやった「300」が一番有利。「エンジェルウォーズ」に続く三番煎じでは少々苦しい。以下ネタバレ。

”神々の戦い”と副題でうたっているけれど、まずこれを信じてはいけない。どう見ても人間の戦いです。おまけに、神をも殺せるという究極の兵器を人間が操って、しかもそれを、人間の敵、それも雑魚、を斃すのに使うのだ。この半端っぷりに頭が痺れてがっくりきました。

もう少し、作り手は、何を観客に見せたいのかを考えたほうがいいと思う。ちょび髭のゼウスさんもいやだ。
以上、終了。


そうそう、主人公テセウスの配役を考えると、これはもしかすると、「マン・オブ・スティール」の前哨戦なのかもしれない。次は、ザック・スナイダーの真骨頂を見たい。

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「コンテイジョン」

封切されてすぐ見に行ったけど、ちと感想を書きそびれていた。というのは、感染症をテーマにした映画は「28 days later」の印象が強くて、この人類の敵の態様と、感染の前と後で反転する人間関係の葛藤とは、もう描きつくされてきていると思ったから。おまけに、核戦争もテロも一服した映画界で、感染症は悪役の定番として定着した感じがあって、陳腐にならざるを得ないからだ。

だからこそ、この映画には、"contagion"のタイトルを病原菌と人の噂との両方に引っ掛けて、病原菌に負けず劣らずの、人の噂の広がりを描いてくれることを期待していたのだが・・残念ながら、その点では、物足りなさが残った。確かに、感染地域の封鎖とか、当局の人間から近親者への情報漏えいとか、ブロガー(笑)とか、商店や住宅街!の略奪とか、金融屋の暗躍とか、いろいろな要素を取り上げてはいたが、どれも中途半端な感じが残る。

代わりに、といってはなんだが、ウイルスの感染源を突き止めようとする科学者の行動を描写する方に、かなりの時間を割いてはいた。それはそれで面白いのだが、それが抗体の開発と全く連動しないのが、またまた肩透かしな印象になった。

おそらく、現実に社会に大きな影響を及ぼす感染症が広まるときは、この映画が描くとおり、さしたる感銘もなく、淡々と大量の人が死に、其処此処で治療薬をめぐって争いが起き、あやしげな対症療法の提唱者が信者を集め、軍と警察が出動し、右往左往しているうちに、免疫のある者だけがなんとなく生き残って、うやむやのうちに収束するという経過をたどるのだろう。映画になんかなりゃしない(笑)

むしろ、この作品は、来たるべき未来に備えて知識を得ておくための、ドキュメンタリーとして見るのがよいかもしれない。感染の速さはどの程度なのかとか、治療薬はどのようにして作られて、その配布はどう実施されるのか、全世界人口の1%が死ぬということが、どの程度の衝撃なのか、そもそも、感染源はどんなところに潜んでいるのか。(これを最後のシーンに持ってきた手法は、ちょっと上手いと思った)。
外ではきたないものに触らない、帰ったら手を洗いなさい、という母親の言いつけには、千金の重みがあるのである。あんまり守らずに生きてきたけど。(笑)

特にお勧めはしないけれど、豚インフルエンザのこともよく知らない私には、見方を変えればそれなりに勉強になった、と言えそうな、1本でした。

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2011.11.15

「マネーボール」

何か物事を変えようと思っているなら、観ておくといい映画。ベースボールに題材をとっているが、技術的な細部を取り上げるのではなく、変えようとする意志と変わりたくない惰性とがぶつかる様を描き出している。以下ネタバレ。

このお話のたいへん示唆的なところは、”資金がない”という絶対的な制約に直面してはじめて、主人公のチャレンジが始まったということ。もう少しお金に余裕があれば、あるいはここまで徹底的に新しい考え方を貫き通すことは難しかったかもしれない。中途半端に従来の方法に戻ったりして、結果、何も成し得なかっただろう。イノベーションを起こすには、実行する人の意識と、彼を追い込む環境の両方が必要なのだ。

この映画はしかし、環境の制約は軽く描くに留めて、むしろ、人の意識を取り上げる方により重点を置いている。主人公が周囲との軋轢や失職のリスクに負けずに、時には迷いながらも、斬新なコンセプトを貫き通せたのはなぜか。その疑問に答えている点がこの映画の肝であり、作品の深みだ。

作中には、ときどき、ある将来を嘱望された若者のカットが挿入される。お話が進むにつれて、それは、選手としての未来に絶望し球団職員に転身した、主人公の若い頃の挫折の姿であることがわかってくる。挫折の理由はいろいろあるだろうが、奨学金を得て大学へ進学する道を捨てベースボールの世界に入った高校生の彼をいっときでもその気にさせたのは、スカウトの不適切で過大な選手評価だった。身長とかルックスとか筋肉のつき方とか、そうした外見だけで、スカウトは選手の卵を選んでいたのだ。そのせいで、彼は青春も未来も棒に振った。

主人公の補佐役として、データ主体の手法を持ち込んだ男に向かって、彼は問いかける。「もしお前がスカウトだったら、選手の俺を1位指名したか?」。相棒は逡巡して、そしてすまなそうに答える。「9位。契約金はなし」。 それが、選手としての彼に対する、”正当な”評価だった。

このやりとりのあと、主人公の意志は固まったように見える。優れて合理的な理論も、自らの実体験が背景にあってはじめて、リアリティを得ることができるのだ。

そして快進撃。奇跡の20連勝がはじまる。このあたりの感動の盛り上げは、ハリウッドならお手のものだ。実際、このカタストロフで映画としての満足度はぐっと上がった。(カブスの21連勝のことは言わないお約束)

こうして生み出された奇跡のチームは、しかし、地区優勝は果たしたものの、アメリカンリーグ初戦で負けてしまう。評論家は、「やはりそんな理論は嘘っぱちだ。ベースボールは統計じゃない」と冷笑する。
その一方で、彼の実績と理論を買って、破格の条件をオファーする有力球団オーナーもいる。そのセリフがナイスなのだが、これは映画館でのお楽しみ。


主人公の、まだ中学生くらいの娘が、ところどころに登場する。拙い歌とギターが、逆境で心折れそうな父親を励ますのがまたよい。記憶に残るシーズンを終えた後の、主人公の身の振り方を決めさせたのは、破格のオファーでも相棒の言葉でもなく、この娘の歌だったというオチが、泣ける。イノベーションを起こすには、人の意識と環境とが必要だと書いたが、それにも増して、誰かの支えも必要なのだなあ。

いろいろな要素が詰まっていながら、作品としてぎゅっと締まりがある、美味しい一本でした。


そうそう、あと1点付け加えると、この作品は主要キャストのはまり具合がいい。特にアスレチックス監督役のフィリップ・シーモア・ホフマンなんかは、この人確かどっかの本物の野球監督やってたよなと錯覚するくらい。同時代的だからここまでしっくりくるのだろうか。

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2011.11.05

草津志賀行記111105

この渋温泉には、木造4階建ての旅館が、隠れるように建っている。落ち着いた佇まいの中に湯屋の華やかさが微妙に出ている。奥の館の開放的で軽やかな意匠に対して、表側の新館とも言うべき建物は、写真は撮らなかったが、頑丈さを演出した威圧的なつくりの玄関なのだ。この入り口は客商売たる旅館の口の堅さを示しているだろうか。
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昨夜泊まった宿はここではないが、入ると内側から鍵をかけられる座敷風呂などがあり、湯屋のラブホ的側面も感じさせる。そうしたものを含んで、かつ端整に建築されたものには、綺麗な色気がある。ちょっと褒めすぎか。
余談だが、「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋には、そういった性格が想定されていたと思う。家族向け映画だから表面には出さないが。

そのほかにも、この鄙びた街並みには好感が持てる。下手な写真ではうまく表せない。
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ここから少し南には小布施町がある。街並みづくりに精力的に取り組んでおり、その努力は賞賛に値するけれども、しかし、そこはかとない作為の感じは拭えない。それに対して、この一見なんでもない町並みの自然な感じはどうだろう。長い時間を経るということは、こういうことなのだろうと思う。伝統的建造物群保存のような、表面的な意匠の揃いとは違う、しっくり感がいい。抑制が効いた感じ、とでも言うか。

一方で、お茶目なところもある。伝建のようにある時代でフリーズせず、いまも生きている。
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早起きをすると、いろいろいいことがある。コンクリートの都会を離れてツーリングに来るのには、こんな朝の何気ない景色を見られることもひとつの理由。
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さて、温泉街から少し山奥へ行くと、渋温泉の目玉、野猿公苑がある。朝8時半からということだが、早めに行ってみる。
誰もいない駐車場にバイクをとめて、遊歩道を歩いて行くと、ちょうど猿の群れが山の斜面からわらわらと現れるのにでくわした。駐車場や河原に散開していく。朝の運動だろうか。雑草の葉をちぎって食べている猿もいる。人をまったくおそれないのを見るに、たぶん餌付けされているのだろう。
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工事の人たちの後を、少し距離をとって登っていく。河原の紅葉が美しい。昨夜泊まりそびれた一軒宿もある。
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入り口の料金所でしばらく待つと、職員の人たちが来る。毎朝、山にいる猿を呼子で呼び寄せるのだそうな。餌の時間ということらしい。数人は山へ入っていき、上の方から追ってくるようだ。川の両側の斜面の広範囲にわたるエリアの中で、群れの居場所が毎日変わるというからたいへんだ。今日はほぼ定刻通りだが、昨日は群れを温泉場まで連れてくるのに11時近くまでかかったとの由。

静かな山の杉林の中が、突然ざわついたかと思うと、先ほどとおなじように、忽然と群れが湧いて出た。勝手知ったように、料金所を抜けて温泉場の方へ行く。三々五々という感じ。ここは動画をたくさん撮ったが、cocologには載せられないようだ。
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youtubeに載せておく。

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http://www.youtube.com/watch?v=wLcQxXagUcA

111105yaen02
http://www.youtube.com/watch?v=Ivw3GuAXkcc

111105yaen03
http://www.youtube.com/watch?v=_hzgiWg14kY

111105yaen04
http://www.youtube.com/watch?v=88DyjGwyjNs

111105yaen05
http://www.youtube.com/watch?v=4bZL2G0njIM

111105yaen06
http://www.youtube.com/watch?v=AvjhprAtaqk


さて、念願の猿もたっぷり見たし、あとは高速乗って東京へ直行。
帰ってきてみると、志賀高原の涼しさに慣れた体には、これでも暑い。

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2011.11.04

草津志賀行記111104

予想通り快晴なのはいいのだが、放射冷却で日の出前の寒いこと。まあ、秋のキャンプでは毎度のことだから、もう慣れたけど。テントはそのままで、とりあえず風呂で温まりに行く。湯畑にバイクを停めて、白旗の湯につかる。こちらは、前回は熱すぎて閉口した。今日は、相変わらず熱いが入れる程度にはなっている。水量が多いのだろうか。
湯につかっていると、近くの旅館の羽織を着た若者の集団がやって来る。狭い屋内が人で一杯に。なったが、さすがに無理と悟ったらしく、数人を残して他へ移動。集団で行動していると、こういう場所は利用しづらかろ。
たっぷり温まって、湯畑横のコンビニで新聞とコーヒーを買い、2階で休憩。朝日の中の湯煙が温泉街らしい。
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テントへ戻って撤収。曇り空なら湯巡りをするつもりだったが、こうも青い天蓋を見ては、志賀方面で山歩きがよかろう。
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今日は出発が少し遅かったので、草津白根山ロープウエイがもう営業している。往復1500円だが乗ってみる。
見上げると緑の斜面。見下ろすと、雨が流れた跡だろうか、石の川床のようになっている。横を見れば緑と白が美しい。
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ロープウエイの上の駅から見下ろすと、雲はないのだがガスが出ていて、見晴らしはよくない。
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山頂駅から丘一つ超えると、湯釜のふもとの駐車場がある。その丘の上の展望台まで昇ってみると、荒涼とした湯釜を見晴らす絶景。道を挟んでこちら側は弓池。
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展望台のベンチでピーナッツなどかじっていると、アラフォーくらいに見える大人のカップルがやってきて、大沼に行きたいとか丸池はどれだとか相談している。話してみると、ふたりとも山歩きには慣れた人達らしい。大沼めぐりの少し長めのトレッキングコースがあるようなので、次はそこへ行ってみることにする。
それにしても、流行りの山ガールなどとは違う、さりげなく格好いい大人のカップルはいいな。こちらはバイクと山と街が合わさったような不思議な服装だが、ああいうのにちょっと憧れる。まあ、純粋に山の装備でバイクには乗れないし、街中も歩けないから、どれかを諦めないといけないのだが。

ロープウエイ駅に、喫煙小屋がある。スキー場も最近は禁煙なのか。扉の位置は踏み固めた雪の高さか。
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休憩所にポスターが。スカイツリーを早速ネタに使っている。その2倍の標高だから、なるほど涼しいと。
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下の駅に戻ると、やはりバイク乗りで髪の白い年配者がいた。最近、長野へ引っ越してきたそうな。カワサキのナナハンはまだ東京のナンバーだ。聞かなかったが、ハッピーリタイアなのだろう。一人だが。
旅先で会う人も、いろいろバラエティに富んできた。それだけ日本は豊かで大人になったということか。

さて、志賀草津道路をどんどん行く。このあたりは稜線を走って気分がいい。
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トレッキングコースは前山というところが起点だが、地図にはその少し先に笠岳キャンプ場という名前が見える。先に今日のねぐらを確保しようと、そこまで行ってみるも、それらしい施設はない。仕事中の人に聞いてみると、以前はあったが、いまはないとのこと。まあ、キャンプ地は昨年雪で凍えそうになった山田牧場という手もある。引き返して、前山にバイクを置いてコースを歩き始める。最初100Mほどの上りが、メタボの体にはいきなりきつい。
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途中の坂道で、高齢の女性とすれ違った。おたがい一服ついでに話してみると、お仲間はこの急斜面の先にある沼巡りコースへ行ったのだが、自分はそんなに歩けないので”引き返してきちゃったわよもう”ということらしい。足元を見ると、さすがにハイヒールではないが、比較的おしゃれな普通の革靴。それは確かに少しきついだろう。この斜面だって、真っ直ぐ下るには腿の筋力がかなり必要だ。年寄りには辛かろ。同行する方も、無理をさせないようにと気苦労の多いことだろう。別行動が増えるのも仕方がない。

池巡りコースは割りと平坦で快適な道。面白みはあまりないがてくてく歩く。途中に志賀山への登り口があるが、今の自分の体力と相談して、パス。楽な方の道で行く。
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途中、変わった枝ぶりの木が。盆栽でもないだろうに、どうするとあんな形になるのだろう。
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1時間ほど歩いたろうか、ようやく大沼が見えた。が、ちょっと待て。ずいぶん水面が下の方にあるようだ。あそこまで降りるということは、また登って来なければならないのか。行きはよいよいになりそう。
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長い急坂の段々を降りて、やっと到着。100Mほどは下ったようだ。

この沼は、世界で初めて、”強酸性湖”と呼ばれたそうで、pHは4.4だとか。魚は住めない。
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昼食をとって休憩のあと、来た道を戻る。少し急がないと日が暮れる。

途中、志賀山の登山口の横を過ぎて、どんどん行く。あまりに人と会わないので、自分の足音が二重に聞こえたりする。日はかなり落ちかけており、逢魔が刻に差し掛かっている。真っ直ぐな道というのは魔を呼びやすいのだが、どうも変な雰囲気になってくる。
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それでも、開けた場所で、最後の陽の光を浴びれば、なんということもない。
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前山まで戻って、宿を考える。相変わらず晴れた空で、夜は激しく冷え込みそうだ。キャンプはやめて、このまま渋温泉へ出て、不本意だが宿をとることにする。

観光案内所で、野猿が入りに来る温泉の宿を頼むが、今日は休館日だとか。残念。温泉街の中の適当な宿で一泊。

ここは、1番から9番までの外湯があって、宿泊客は宿で合鍵を借りれば、どの湯にも入れる。内湯で温まったあと、試しに3番湯へ行ってみた。熱いので長くは入れないが、効験あらたか。湯から上がって体を拭いている間にも、肌がさらさらになってくるのがわかる。

湯量は多くないから、湯船も小さく、多くの人に提供はできないのだろう。けれども、それと湯の効能は無関係だ。これほどはっきりした効果を見るのは初めてのこと。千三百年の歴史は伊達ではない。
どうせ鄙びた古臭い温泉街だろうと思っていたが、とんでもない。本当にいいものは目立たなかったりするのだ。

この夜は、餅つきイベントもやっていて、つきたての餅が振舞われて、おすそ分けをいただいた。宿の食事は刺身有り魚あり肉ありのフルコースだし、これで7千円は驚き。家屋の償却はとっくに終わっていて、食事と人件費だけで済むのだろうか。

たまに人里の宿にも泊ってみると、発見があるのである。

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2011.11.03

草津志賀行記111103

草津志賀方面は、日光那須方面、箱根伊豆方面、諏訪美ヶ原方面と並んで、短期ツーリングの定番になりそうな予感。今回も、最大4日という日程の中で選んだのが温泉の草津。このところ頭痛と肩こりがひどいので、そういうことになった。

朝6時発。関越を月夜野まで行く。途中、適当なSAでコーヒーを飲みながら新聞を読むなど。あまりがつがつせずにゆっくり行く。前回は沼田で降りて、日本ロマンチック街道(国道146号)沿いで面白施設を見て回ったが、今回はもう一筋北寄りを西へ。

国道17号を行くと、「たくみの里」というところがあって、道の駅がある。

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道の駅というと、デザイナーの自己主張全開のヘンテコな建物か、木造大断面集成材でこれ見よがしな大空間を作ってスケールアウトか、どちらかになりがちだが、ここはそうではない。いたって普通の民間建築風でありながら、配置の妙でいい雰囲気をつくっている。建物には一定のコードがあり、植栽や舗装にも気を配って、一帯を一体的に構成している。観光バスが複数台止まれるだけの大きな駐車場もありながら、建物配置のおかげで目立たない。

つまり、まちなみ空間デザイナーによる、きちんとした計画の存在を感じさせる。計画の巧拙はいろいろあるにしても、そうした方向性をしっかり持っているように感じられるところがよい。

貸し自転車もあり、これらの建物の1棟を使ってさりげなく設置されている。周辺を見てまわるためのこうした施設は、他の道の駅にはあまり見られない試みだ(と思う)。計画者のビジョンが現れている。

産直品の販売所も、この建物のうちの1棟に入っている。おなじみの農作物に加えて、近在の主婦の手慰みなのだろうか、お手玉などの工芸品もあり、なつかしい。子どもの頃、小豆を綺麗な布でくるんだお手玉を、母が作ってくれた記憶がある。

これは、まつぼっくりに着彩したもの。
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果物や野菜も安くて大きい。人の胴体ほどの白菜は300円。安いのはもちろんだが、そもそもこんな大きなものは都会のスーパーには無い。りんごは中玉10個くらいをまとめて一袋。それで500円~700円とか。8個で500円のを一袋買う。ツーリングの間の食後のデザートはこれで確保。
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産直販売所の中には、観光客向けで割高なところもあるが、ここは地元の人が客層の中心のようで、売り物はどんどん捌けていく。安くてものがいいのだろう。

さっそく庭でリンゴを1個食べてみると、身が詰まっていてうまい。当たりを引いてうれしくなる。ついでの朝飯に、開いていた蕎麦屋で十割蕎麦を食う。1日20食限定というからどうかと思ったが、味は普通。

県道へ入ってしばらくいくと、林道があり、国道353号の途中へ抜けられるはずなのだが、なんと全面通行止めの立て札が。地震とか台風とか今年はいろいろあったから、その影響だろうか。以前なら、行けるところまで行ってしまうところだが、最近歳のせいか分別くさくなってきて、おとなしく引き返す。やむなく県道をそのまま行く。

捨てる神あれば拾う神あり。少し行くと国指定重文の「富沢家住宅」がある。養蚕が盛んだったこの地域の代表的な兜造りの大型民家。
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1階田の字部分。その向こうの土間はかなり広く、建築面積の約半分を占める。
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2階。実際はもう少しほの明るい。入母屋は通気と採光を兼ねる。南側に縁があるのは割りと高級なつくりと思う。
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どうも居心地がよくて、結局小一時間、誰も来ない静かな時間を過ごした。
国道353に出たあとは北上して四万温泉。

この当たりは中之条町というところで、芸術活動が盛んなようだ。沿道の植栽なども考えて植えてあるのかどうか、紅葉する落葉樹の足元にススキがあしらってあったりして趣がある。写真の下手さ加減は、古めのスマホの限界。実物はすごく透き通った色で鮮やかだ。
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四万温泉は昨年入ったので、今年はパスしてそのまま万沢林道へ。ところがこちらも途中で通行止め。ご丁寧に鉄のバーで通れなくしている。なんだかなー。

またまた引き返して、県道55号で西へ向かう。こちらは雰囲気のよい道。林道と違ってダートではないので、景色を眺めながらゆるゆる走る。途中、歌人の若山牧水にちなんだ小さな休憩所があって、お茶が飲める。
ここにも、まつぼっくりを使った工芸品が。

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紅葉は真っ盛りだが、上から見下ろすと赤もくすんで見えてしまう。むしろ下から見上げて、光が透き通るようなのが美しい。それにしてもスマホの3Mピクセルでは、解像度以上に、発色が全然だめだ。専用のデジカメが欲しくなる。
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暮坂というところのオートキャンプ場が高原の雰囲気満点でよさげだったが、草津までは少々距離があるので、また次の機会に。昨年も一泊した草津高原オートキャンプ場へ直行。
季節はずれで客も少ない広々したサイトに、テントを設営して早速温泉へ。
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目当てにしていた大滝の湯へ行ってみると、なんと改装中でお休み。がっかり。温度の違う5種類の浴槽が面白かったのだが。まあ、新装なったら来る楽しみができたと思って、西の河原へ。
こちらは、広大な露天風呂だが、徒歩で行く途中の河原が、湯が湧き出していたり池をあしらってあったり、テーマパークのようになっている。昨年は、ここの湯が細くて、なんだか勢いがなかった。露天風呂もなんだかいまいちだった記憶がある。それで、今年は真っ先に大滝の方へ行ってみたのだが・・
しかし、今年はどうも様子が違う。湯量が多い感じだ。
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入ってみると、やっぱり全然違う。疲れと頭痛がすっととれる感じは、本物の温泉のそれだ。昨年は湯の注ぎ口の近くでも、あまり熱くなくて、広い浴場全体がぬるい感じだったが、今年は広さに見合うパワーとか鮮度といったものがある。温泉にも、雨量だとか地下の熱源の活動とかで、結構変動があるのだろうか。この辺を研究すれば、「温泉学」みたいなものが立派に成立しそう。
と思ったら、「温泉学会」なるものが既にあるみたい。でも過去の大会記録を見ると、地下活動や伏流水、降雨量などの時間変化を科学的に研究したようなものは見つからない。工学的にやろうとすると、結構お金が掛かってしまうのだろうか。

土産物を物色したりゆっくりしているうちに日も暮れて、湯畑から少し上に上がったところにある食堂で夕飯。ご主人の話では、宿泊もやっていて、長逗留には料金の相談にものってくれるそうな。湯加減のよい年なら、長期宿泊で湯治に読書三昧もいいかもなあ。。幸か不幸かWiMAXの電波は入らないようだし。w
ご主人の営業活動?はそれとして、豚カツ定食が結構味がよくてパワフルだった。

テントに戻って、あとは寝るだけ。
日暮れ時点では曇っていたが、夜半過ぎに起きると、すっかり晴れて、満天の星空。やっぱりキャンプはこうでないと。大満足の一日でおわる。この分なら、明日は快晴だ。

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