草津志賀行記111104
予想通り快晴なのはいいのだが、放射冷却で日の出前の寒いこと。まあ、秋のキャンプでは毎度のことだから、もう慣れたけど。テントはそのままで、とりあえず風呂で温まりに行く。湯畑にバイクを停めて、白旗の湯につかる。こちらは、前回は熱すぎて閉口した。今日は、相変わらず熱いが入れる程度にはなっている。水量が多いのだろうか。
湯につかっていると、近くの旅館の羽織を着た若者の集団がやって来る。狭い屋内が人で一杯に。なったが、さすがに無理と悟ったらしく、数人を残して他へ移動。集団で行動していると、こういう場所は利用しづらかろ。
たっぷり温まって、湯畑横のコンビニで新聞とコーヒーを買い、2階で休憩。朝日の中の湯煙が温泉街らしい。

テントへ戻って撤収。曇り空なら湯巡りをするつもりだったが、こうも青い天蓋を見ては、志賀方面で山歩きがよかろう。

今日は出発が少し遅かったので、草津白根山ロープウエイがもう営業している。往復1500円だが乗ってみる。
見上げると緑の斜面。見下ろすと、雨が流れた跡だろうか、石の川床のようになっている。横を見れば緑と白が美しい。

ロープウエイの上の駅から見下ろすと、雲はないのだがガスが出ていて、見晴らしはよくない。

山頂駅から丘一つ超えると、湯釜のふもとの駐車場がある。その丘の上の展望台まで昇ってみると、荒涼とした湯釜を見晴らす絶景。道を挟んでこちら側は弓池。

展望台のベンチでピーナッツなどかじっていると、アラフォーくらいに見える大人のカップルがやってきて、大沼に行きたいとか丸池はどれだとか相談している。話してみると、ふたりとも山歩きには慣れた人達らしい。大沼めぐりの少し長めのトレッキングコースがあるようなので、次はそこへ行ってみることにする。
それにしても、流行りの山ガールなどとは違う、さりげなく格好いい大人のカップルはいいな。こちらはバイクと山と街が合わさったような不思議な服装だが、ああいうのにちょっと憧れる。まあ、純粋に山の装備でバイクには乗れないし、街中も歩けないから、どれかを諦めないといけないのだが。
ロープウエイ駅に、喫煙小屋がある。スキー場も最近は禁煙なのか。扉の位置は踏み固めた雪の高さか。

休憩所にポスターが。スカイツリーを早速ネタに使っている。その2倍の標高だから、なるほど涼しいと。

下の駅に戻ると、やはりバイク乗りで髪の白い年配者がいた。最近、長野へ引っ越してきたそうな。カワサキのナナハンはまだ東京のナンバーだ。聞かなかったが、ハッピーリタイアなのだろう。一人だが。
旅先で会う人も、いろいろバラエティに富んできた。それだけ日本は豊かで大人になったということか。
さて、志賀草津道路をどんどん行く。このあたりは稜線を走って気分がいい。

トレッキングコースは前山というところが起点だが、地図にはその少し先に笠岳キャンプ場という名前が見える。先に今日のねぐらを確保しようと、そこまで行ってみるも、それらしい施設はない。仕事中の人に聞いてみると、以前はあったが、いまはないとのこと。まあ、キャンプ地は昨年雪で凍えそうになった山田牧場という手もある。引き返して、前山にバイクを置いてコースを歩き始める。最初100Mほどの上りが、メタボの体にはいきなりきつい。

途中の坂道で、高齢の女性とすれ違った。おたがい一服ついでに話してみると、お仲間はこの急斜面の先にある沼巡りコースへ行ったのだが、自分はそんなに歩けないので”引き返してきちゃったわよもう”ということらしい。足元を見ると、さすがにハイヒールではないが、比較的おしゃれな普通の革靴。それは確かに少しきついだろう。この斜面だって、真っ直ぐ下るには腿の筋力がかなり必要だ。年寄りには辛かろ。同行する方も、無理をさせないようにと気苦労の多いことだろう。別行動が増えるのも仕方がない。
池巡りコースは割りと平坦で快適な道。面白みはあまりないがてくてく歩く。途中に志賀山への登り口があるが、今の自分の体力と相談して、パス。楽な方の道で行く。

途中、変わった枝ぶりの木が。盆栽でもないだろうに、どうするとあんな形になるのだろう。

1時間ほど歩いたろうか、ようやく大沼が見えた。が、ちょっと待て。ずいぶん水面が下の方にあるようだ。あそこまで降りるということは、また登って来なければならないのか。行きはよいよいになりそう。

長い急坂の段々を降りて、やっと到着。100Mほどは下ったようだ。
この沼は、世界で初めて、”強酸性湖”と呼ばれたそうで、pHは4.4だとか。魚は住めない。

昼食をとって休憩のあと、来た道を戻る。少し急がないと日が暮れる。
途中、志賀山の登山口の横を過ぎて、どんどん行く。あまりに人と会わないので、自分の足音が二重に聞こえたりする。日はかなり落ちかけており、逢魔が刻に差し掛かっている。真っ直ぐな道というのは魔を呼びやすいのだが、どうも変な雰囲気になってくる。

それでも、開けた場所で、最後の陽の光を浴びれば、なんということもない。

前山まで戻って、宿を考える。相変わらず晴れた空で、夜は激しく冷え込みそうだ。キャンプはやめて、このまま渋温泉へ出て、不本意だが宿をとることにする。
観光案内所で、野猿が入りに来る温泉の宿を頼むが、今日は休館日だとか。残念。温泉街の中の適当な宿で一泊。
ここは、1番から9番までの外湯があって、宿泊客は宿で合鍵を借りれば、どの湯にも入れる。内湯で温まったあと、試しに3番湯へ行ってみた。熱いので長くは入れないが、効験あらたか。湯から上がって体を拭いている間にも、肌がさらさらになってくるのがわかる。
湯量は多くないから、湯船も小さく、多くの人に提供はできないのだろう。けれども、それと湯の効能は無関係だ。これほどはっきりした効果を見るのは初めてのこと。千三百年の歴史は伊達ではない。
どうせ鄙びた古臭い温泉街だろうと思っていたが、とんでもない。本当にいいものは目立たなかったりするのだ。
この夜は、餅つきイベントもやっていて、つきたての餅が振舞われて、おすそ分けをいただいた。宿の食事は刺身有り魚あり肉ありのフルコースだし、これで7千円は驚き。家屋の償却はとっくに終わっていて、食事と人件費だけで済むのだろうか。
たまに人里の宿にも泊ってみると、発見があるのである。



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