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2011.10.01

「僕たちは世界を変えることができない。」

無目的で中途半端に生きている大学生が、最初は些細なきっかけから海外ボランティアに手を出して、次第に志を持つようになる成長物語。実話を自費出版した本が基になっている由。以下ネタバレ。

「一流の野球選手にファインプレーは少ない。動きをあらかじめ予測して、難しいことを簡単にこなしてみせるからだ。ファインプレーが多いのは二流の選手だ」という話を聞いたことがある。

コミュニケーション力や行動力についても、たぶん同じことが言える。この映画の主人公の大学生たちは、その点でかなり幼い。見ていて腹が立つくらいに不甲斐ないので、いやでも、それまで受けてきた教育の欠陥に気付かされる。人のことは言えないのだが。

ところが、見ているうちに、表面的な技術とは別に、彼らの内面の真っ直ぐな気持ちに打たれ、襟を正すことになる。カンボジアという国の過酷な近現代史が、その真っ直ぐな気持をさらに浮き彫りにする。

学生の本分は学業だというのは正論だが、同時に、学業以外の活動を通じて、人の役に立つことの喜びを知ることも大切なことだ。アルバイトでもそれを実感することはできるだろうけれど、金銭的な報酬を求めないどころか、逆に持ち出しになることも多いボランティアという活動様式は、うってつけだといえる。

ここで重要な点は、活動に目的を求めないことだ。目的を言い出せば、必然的に、行動の合目的性がクローズアップされて、本末転倒が起きやすい。活動そのものは手段であって、人の役に立つ体験こそが目的だから、ビジネス的な目的の設定は、ここでは馴染まない。主人公の彼は、サークル仲間の突き上げをくらいながら、そのことに気づいていく。それが、最後の募金活動の、まことにくさいが真摯なスピーチ(?)につながっていく。ここがこの映画の見どころ。


さて、以上のことがわかった上で、やはり、と言わざるを得ない。コミュニケーションやアクションの手法を子どもの頃から考えさせ練習させることは、無視できないほど重要な気がする。そういうものとは違う教育を受けてきて、少し残念に思っている自分が言うのだから、たぶん間違い無い。

見ちゃいられないくらい青臭いお話だが、いいことに気付かされる、そんな一本でした。

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