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2011.06.19

「赤ずきん」

意外な種明かしのあと、驚きの結末という二段構え。女の子って怖い。ネタバレなしでは感想が書けないので、以下は読まずに観るのが吉。

その、女の子の怖さは、すでに最初のエピソードで暗示はされている。にもかかわらず、村の日常ではそんなところはおくびにも出さない。二度目の惨劇のときなどは、故郷の村を救うためなら自分は犠牲になどと殊勝なことを言い出すくらいだ。もちろんそれも、女友達が言うように、フリに過ぎないのだが。

武装集団を連れた芝居がかった神父が途中から登場するが、彼は一種の狂言まわし。村人の相互不信を掻き立てるペテン師に見えて、狼に関する話に偽りはなく、最期はむしろ哀れを誘う。この辺りを主軸にすれば、ありがちなお話なのだが、この作品では、彼は寓話的な背景にすぎない。

神父に限らず、全体に奇妙に現実から遊離した感じが、ストーリーを徐々に背景に後退させ、別の何かが浮かび上がる。村人達の隠された嘘。それに嫌悪と憤りを感じる純粋な娘。その彼女が被された醜い仮面は、彼女自身の最大の嘘を隠す。女友達だけが、その嘘を仮面の外から密かに暴く。何て寓話的な。

いろいろな要素が絡み合った偶然の結果のような結末だが、実は八方うまく収まっていて、観終わったあとは必然に思えてくる。故郷の村をそのままに置くことと、野性を開放することが、秘密を保ったまま両立する道を、主人公は巧まずして選択する。その過程で切り捨てられるものは。

いやー女の子って怖い。侮れない。
これは純粋さゆえの怖さなのだろうか。それとも強烈な自己保存本能の怖さか。

たいへん面白い一本でした。

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