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2011.05.01

東北海側行記110501-2

昼を回った頃、陸前高田を過ぎたあたりで海側を離れ、遠野へ向かう。キャンプ場がないので野営できないのだ。この混乱状態なら、その返の平らなところで設営しても咎められないとは思うけど、仕事で疲れている警察を刺激すると面倒そうなので避ける。道路もあちこち不通になっていて、交通整理の警官が立っている。道を聞くと関西弁だったりして、少しなごむ。道がわからないことに変わりはないが(笑)。この辺りではほかに、千葉、埼玉、福島などのパトカーをよく見かけた。

ずいぶん内陸に来て、もう震災色も薄れただろうと思っていたら、大間違い。ここでも河原に自衛隊が野営している。対戦車ヘリ部隊とか。迷子の漁船を海上で探したりするのかな。本来の専門性の高い任務でなく、瓦礫の中での行方不明者捜索に従事しているのだろうか。10万人態勢ともなれば、数を揃えるもの必要なのかもしれない。お疲れ様です。
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遠野に着いて観光案内所で宿を探すと、どこもボランティアで満員だとか。ここが、海側へ出る中継地点になっているらしい。確かに、海側に宿泊はできないから、こうした中継点が内陸側に必要ではある。迂闊だった。

宿がなくても、先ほどの自衛隊が居た河原の隅っこにでも野営すればいいかと腹をくくって観光することにする。案内所で聞いてみるが、どうもいまひとつ惹かれるものがない。津波被害を目の当たりにして気分が沈んでいるのか・・・ていうか、観光案内所のおねえさん、大きなマスクで顔の半分を隠して、もごもご話している・・・ここは遠野なのだ。つり目で上目づかいの顔がだんだんか○ぱに見えてくる(失礼)。みごとなコーポレートアイデンティティ。なわけはない。
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お勧めに従って、街中の昔話村を見ることに。昔話が自動紙芝居のようになっていてなかなか楽しい。なかでも田螺長者というのがおもしろくて。

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「たにしのような子でもええがら こどもをさずけておくれんせ」
水神さまにお願いしたらよ

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爆笑しますた。いきなり何このスピード感。直球感。

満足したので野営地を探す。北へしばらく行ったところに閉伊川キャンプ場というのがあるので、行ってみる。なんとここにも自衛隊が。駐車場にずらりと車輛が並んでいる。ここはスーパー銭湯を中心にしたスパリゾート風で、運動施設などもあるのだが、その体育館に隊員が寝泊まりしているようだ。スパの受付で聞いてみると、キャンプサイトは開けていないらしい。スーパー銭湯の方は、被災者が利用している。ということで、ここでも通りすがりが泊る余地はなさそう。河原に野営することはOKしてもらえたので、ここに設営することにする。土手の桜がちょうど満開。
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なのだが、やや水面に近いのが気になって、結局高台のコンクリートの敷地に設営。ペグは打てない。海岸などではコンビニ袋に砂など詰めた土嚢に繋ぎとめておくのだが、雨はぱらついているものの天気も穏やかだしまあいいか。この甘い判断が夜半に思いがけない恐怖を招くことになる。
草木も眠る丑三つ時。とんでもない突風がテントを襲う。ペグで留めていないので自分の体重だけが頼りだ。メタボでよかったと思ったのはこのときが初めて。

なにしろ、来る前に”コオッ”と遠くから唸りが聞こえるのだ。こんな経験は初めて。
2秒後にびゅっと来て、テントは大揺れ。ポールは折れんばかりにしなう。一応、周囲を2M程度の木立に囲まれた場所を選んだのに、全く効かない。方向も、川上から横殴りのものと山の急斜面を吹き下ろしてくるのとあって予想もつかない。朝まで翻弄された。
ようやく夜が明けて風も多少収まった隙に素早く撤収。周辺を歩き回る余裕もなかったが、次に寄るときは、風呂にも入ってゆっくりしたい。

* * *

ここでは、自衛隊の人や、宿泊施設の人と少しだけ言葉を交わしたのだが、ほんの短いやり取りの中に、微妙に感じるものがあったので書いておく。

自衛隊は、災害救助は一応仕事のうち、本職だ。その彼らが、ボランティアに対して抱いている気持ちは慎重に慮ったほうがいいかもしれない。雨の日も雪の日も、時には腰まで水につかりながら遺体を引き上げたりしている彼らからは、連休に押し寄せるボランティアがどう見えているだろうか。

温浴施設の管理者は、被災者を長期間収容しておくことを、どう感じているだろうか。直接被災したわけではない観光地の人達にとってみれば、これからハイシーズンを迎えるタイミングで、施設を長期間徴用されるマイナスは、たとえ行政から費用が出るにしても、経営上は必ずしも好ましいとは言い切れないだろう。
タレントやアスリートなどを使ってTVで流されている無責任な上から目線の「にっぽんはひとつ」の大合唱は、果たしてどう映っているだろうか。

災害の現場は目の前のことで頭がいっぱいだが、バックアップを担う周辺地では、日常生活との兼ね合いで難しい問題をはらんでいる。
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