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2011.01.09

「スプライス」

グロテスクでインモラルな問題作。といっても、劣情系ではない。むしろ、遺伝子操作ものの中では、問題をかなり身近に引き寄せて、何が具体的に問題なのかに触れている点で、評価できる。以下ネタバレ。

遺伝子を操作して新しい生命を生み出すということは、あたりまえだが、子供をつくるということだ。この分野でヒトの遺伝子を使うことが限りなく禁忌に近い扱いを受けているのは、それが理由だろう。植物などでは、この禁忌jはもっとゆるい。

ヒト遺伝子をもとに子供をつくったとき、具体的に起きるだろう問題を、この映画は捉えている。交換用臓器の製造や遺伝病の治療などは、こうした実験の明るい面として語られるが、それを踏まえたうえで、ひとつの問題提起をしている。人間が従来から持つ暗い面を具体的に描き、不必要に刺激することで起きそうなことを映像化している。なるほど、言われてみればそのとおりだ。ヒトは案外簡単にその誘惑に負けるかもしれない。

子供は天からの授かりものとして、親の独占物とはせず、社会の中で育てる土壌があれば、このような問題は起きないだろうけれど、現状はそうなっているだろうか。この映画を観て、改めてその土壌がいかに危うくなっているか、考えさせられることになった。

ここでふと、ギリシャ神話を思い出す。あの世界でも、いともたやすく異種生命の遺伝子を混交させているから、一見、この映画が描いたと同じ問題を抱えているように見えるが、そうではない。ギリシャ神話の中では、生まれてきたものはそれぞれに特性を持って自我を主張したり、尊重され、英雄になる者もいるなど、人間と同等かそれ以上の扱いを受けている。ところが、この映画が描き出したものは、そうではない。

表面だけ見ているといかにもグロいのだが、主人公カップルの口論の中に挟みこまれた、この映画のテーマをずばり表す一言を聞き逃さなければ、この映画が重要な問題提起をしているとわかる。時間があるなら、観る価値はある一本。

[おまけ]
公式サイトを見ていたら、監督さんもほぼ似たようなことを言っている。そのあと、製作総指揮のギレルモ・デル・トロが・・・

というか、またギレルモ・デル・トロか。どうもこのヒトが関わっているものには、妖怪センサーがピンと立つ。

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遺伝子操作に関する恐怖や考えさせられる脚本はなかなか違和感なくまとまっているように思う。スピーシーズの系統ですね。映像が非常に良くてできていて薄ら寒い怖さがあった。遺伝子操作によって生まれたドレンの表現は非常に気味が悪いです(いい意味で)。ホラー・スリ.. ... [Read More]

Tracked on 2011.01.10 at 03:41 PM

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