「パンドラム」
他の惑星への人類移住計画は、いまだに遥かな夢だが、長期に亘る宇宙旅行の課題はいろいろな形で取り上げられている。この映画もそのひとつ。宇宙船という暗い閉鎖空間の中で、ホラーとミステリを混ぜ合わせたような物語が展開、という点では、「エイリアン」シリーズの血を濃く受け継いでいる。以下ネタバレ。
長いコールドスリープから目覚めたら、予定と違う状況に直面。そこから、情報収集したり仲間を発見したり、恐るべき敵に遭遇(管理された宇宙船の中なのになぜ!?)したりしながら、課題の発見と解決の過程を見せる、という典型的な黄金パターン。こういうのは大好きです。
この作品では、主人公は所謂リーダータイプでもなく、マッチョでもない。普通の技術屋だが精神は比較的タフという、普通に居るタイプ。こうした華の無い人物像は、ハリウッド映画では主役になりにくいだろうけれど、欧州テイストの映画らしくていい。
結末がまたよく出来ている。とうの昔に実は宇宙船は自動的に目的を達していて、というのはこの種のSFの結末の定番だが、そこで絶望に直面するか、希望を垣間見るか、それとも虚脱感で終わるのか、エイリアンは三番目を採ることで味のある余韻を残したが、さて、この作品は。宇宙船が微妙に正解から逸れていたことが、絶妙な解決を導き出している。
最後のシーンが、植物の種子が弾けて散っていく様子を連想させて、お話と映像のクライマックスが、高度なレベルでぴったり溶け合う。ここは恍惚感さえ感じられるところ。うまい。
ということで、使われている素材はいずれもお馴染みのものばかりにも関わらず、悪くない出来の一本でした。
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