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2010.07.24

「ビューティフルアイランド」

気候変動で被害を受けている三つの島の生活を淡々と映しだした作品。ストップ温暖化とかの軽薄な主張や根拠に、世の中が必ずしも諸手を挙げて賛同しているわけではないことを知ってか、政治色を極力薄めている。言いたいことは住民自身に語らせる形で、最小限入れてある。

私はこれを見て、何か気候変動についてできることをすべきとは、全く思わなかった。むしろ、これは止めるとかいう寝呆けた考えは捨てて、逃げる方針でいかなければ無理だろうと思う。逃げるタイミングや、逃げてきた人たちを受け入れる方法について、むしろ考えなければならないだろう。

そうした考えで改めてこの映画を見ると、作り手が、ツバルの人々に、この島から決して離れないと何度も語らせていたことは、かなり罪が重い。そんな方向へ誘導しては、逃げる準備も受け入れる準備も進まないだろう。土壇場になって何の準備も成されていなければ、苦痛は拡大してしまう。

この種の煽りをする人たちの考えで、いつも欺瞞を感じるのは、では彼ら彼女らは、空調も使わず車にも乗らず、重油も化学肥料も使わない作物を食べ、ツバルの人たちと同じ総エネルギー消費量だけで生きているのだろうか、ということだ。そんなことはまずあるまい。

罪を自覚する必要はあるけれど、それは簡単には改まらないものであって、引き起こされる不都合に対しては、対症療法であたるしかないのだ。この場合は、逃げること、それを受け入れる態勢をとることしかない。

とはいえ、ひとつ良いことを、この映画は言っていた。代々の暮らしを捨てるかどうかの瀬戸際に立っている人たちにとって、その暮らしのアイデンティティが大切だということだ。受け入れる側は、その点をある程度配慮する必要はあるだろう。難しいことだけれど。

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