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2010.07.03

「エルム街の悪夢」

以前大流行したシリーズを、私は見ていない。あまりホラーに興味がなかったのだ。このたび95分の新しい作品ということで、手軽な長さでもあるし、見てみた。以下ネタバレ。

「夢オチ」という言葉があるように、物語において、「夢」は便利に使える小道具だ。このホラー映画シリーズは、その夢の世界から現実の世界に物理的な影響を及ぼす力を持った、怪人のお話。眠ってしまうと、夢のなかでそいつが襲ってきて、なにしろ向こうの自由になる世界だから、抵抗は不可能。夢の世界で受けた傷は、現実の肉体に連動する。それを恐れて眠るまいとしても限界はある。という理不尽な恐怖もの。どうやってこれを撃退するかが、興味の的になる。

今日では普通になった、恐怖感を煽る手法は、もちろん普通に駆使されている。それで、怖いかと言われると、実はそれほどでもない。

その理由は、この怪人の出自由来が、くだらないからだ。そこが、かなり興醒めではある。この怪人に、あるいは、この物語に、もっと戦慄すべき、あるいは慟哭すべき何かがあれば、これは心底怖いのだが、そうではない。彼が他人に害を成す理由が、なんともくだらないものなのだ。その点を除けば、最後のお約束も含めて、よく出来たホラーではあるかもしれない。

 * * *

同じ、子供にまつわるホラー映画で、「永遠の子供たち」という傑作があった。こちらはスペインの風土から生まれた作品。ギレルモ・デル・トロが一枚加わっている。アメリカ人(とその風土)に、ああいった深みを期待するのは、所詮無理な相談なのかもしれない。

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