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2010.06.06

「シーサイドモーテル」

「パリ・ジュテーム」「ニューヨーク アイラブユー」と同じアンサンブル・ムービーの手法で、しかし中身はもう少し濃ゆい。お洒落ムービーとは程遠いが、面白い。山の中のこきたないモーテルを舞台に、4つの部屋のいわくありげな人々が、それぞれ独立したストーリーを展開する。本物と偽物が入れ替わり立ち替わりする過程、騙し合いを面白く見せている。以下ネタバレ。

最初の掴みの部分では、デフォルメした映像を多用して映画の意図を示しながら、徐々に控えめな表現に移行して、シリアス感を出している。お笑いだと思って見ていたものが、日常のどうしようもない真実に変わっていくのを、少ししんみりとしながら見ることになる。このあたり上手い。

4部屋のお話の中で際立っているのが、麻生久美子演じる娼婦と山田孝之演じる博徒の二人。それぞれ別の部屋に組み込まれてストーリー上は無関係だが、他の登場人物たちよりも、嘘の深さが違う。女の方は、悪女として振舞いながら、最後に純情な一面を見せる。男の方は、根は善人の小悪人のように見せながら最後にどす黒いものを見せる。一見、反対方向のベクトルを持ちながら、繕った仮面を徐々に脱いで心の奥底を最後に見せるというお話の流れにぴったり沿っている。全く関わりの無い別々のストーリーを生きるこの二人が、最後に偶然に交錯して、互いの真実の発露を潰し合うという結末が、少しやるせない。

日本人にもうまい俳優さんは多いと感じさせる一方で、底流にはお笑いと日常感覚があふれているのが、ハリウッド映画とは明らかに違うところ。好みにもよるかもしれないが、面白い一本でした。


公式サイトのプロダクションノートを読んで、なるほどこれは面白くなるわけだと納得。

おーい。公式サイトのインタビューのページで、柄本時生のポップ画面がYOICHI NUKUMIZU になってるぞ。
あ。それもフェイクの仕掛けなの?(笑)

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