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2010.06.19

「ねこタクシー」

真面目にしみじみする映画。このセンスは団塊風か。ありがちなストーリーと落とし所だが、社会性のある話題が、混線せず順繰りに出てくるので、分割して数回のテレビドラマに仕立てることもできそうな風情。それでいて全体テーマがしっかりしており、安定感がある。制作委員会に、ローカルTV局が並んでいるのと関係しているのだろうか。以下ネタバレ。

おっサンテレビが制作委員会に入っているので、もう少し哀愁漂うおっさんのお笑い映画なのかと思ったが、主人公はそれなりに若い。いや、若づくりか。全体の流れは、この挫けてしまったおっさんの再生の物語なのだが、彼の一見弱々しそうに見える意志と、立ちはだかる障害の高さのバランスが程よい感じ。妻と娘も素直にできた家族で、それだけで微笑ましい。

若者が、規制の壁にビジネスオーライな論理で挑んで一蹴されるのを物陰からびくつきながら見つつ、法律がちゃんと残している細い道を、こつこつ律儀に登っていく。最後の障害だった小役人の裁量は、彼の田舎の母親が登場してほだされてクリア。昭和団塊が懐かしく思い起こされるセンスなのだが、これは団塊ジュニア世代が受け継いだのだろうか。

猫の可愛さ満載の動物映画ではないので、それを期待すると少しはずれ感を味わうかもしれないが、これはこれでよくできたお話。割と楽しめる一本でした。

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