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2010.04.01

パッケージ売りからバラ売りへ

「非中心化」を目前にしてプロが共通に錯覚すること

機能のうち必要なものだけをバラで求めるか、全部パッケージ化する業者から買うかを選択できるようになるだろう。
これは、どこで利益が出ていたかという手の内をユーザに晒すことになるので、全体として価格は大幅に下がる。
実は、いま関わっている商売でこれをやろうとしている。

パッケージに値段を付けることで、よく考えると不要なものを抱合せで販売していたのだが、当然ながらお客さん側にはストレスがたまっている。これまではそこを営業トークなるもので目を摘んで意識させないようにしてきたのだが、やはりお客もわかってくるとそうそう騙されてはくれない。

そこで、パッケージを適度な大きさに分割して、個々の値段は少し高めにして、お客側で選べるようにしようというのが、コンセプトの基本だ。やっているうちに、買い手自身が、パッケージの便利さや個別では不足する部分に気づいたら、買い増ししてもらう。自分で気づいてもらう点がミソだ。

長くやっているプロは当然わかっているから、親切心で最初からパッケージにしてあるわけだが、お客側には当初はそれが見えない。情報の非対称性からくる不信感もあるだろう。なので、遠回りで不親切なようだが、わざとお客自身に苦労させて価値をわかってもらうのだ、という言い方もできる。仕事の価値を客にわからせることも、一種のプロの手練というところか。

もちろん、価値のない部分は削げ落ちるから、個々の値段は高めにしておく点も、もうひとつのミソになる。何に価値を認めるか、主導権が売り手から買い手に移ったことは認める代わりに、価値があると認めたものには、相応の対価を払ってもらう。そして、どれに価値を認めるかは、これまでのように一様ではなくなるから、売上は確率論でいうところの期待値、ということになる。

商売としては少々ややこしくなるが、売り手と買い手の間でストレスフリーではあるだろう。それは時代の空気にもあっていると思う。

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