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2010.04.10

「第9地区」

言ってしまうとみもふたもないのだが、これはある典型的なお話のパターンをきっちり踏んでいる。そして、よく出来ている。ああこれは○○ねと言って上から目線で終了するのはもったいない、少々ゲテモノだが楽しめる娯楽作品に仕上がっている。以下ネタバレ。

あれだけネタバレな予告編を流しているのだから、言ってしまってかまわないと思うが、これはダークヒーローものの変形だ。そうは感じさせないように、作り手は苦心して、社会派的な要素をちりばめていそうだけれど、私にはそう見えた。

人間社会では、冴えない奴の典型のような主人公。それがある日、ちょっとした事故により超人的な力を手に入れてしまう。しかしそれは、普通の感覚では忌まわしいことであり、決して祝福されるようなことではない。愛する人から引き離され、周囲の偏見と差別のために、当の愛する人からも嫌われ、住むところもなく彷いながらも、人間性に対する愛着を捨てられず、手に入れたその力を善良な人々のために使う。身の危険を顧みず。その超人的な力の秘密を巡って悪人どもが三つ巴四つ巴になって争う。やっぱりどう見てもダークヒーローものです。

ただし、ちょっとしたトリックがあって、危険に晒されている善良な人々は、人間ではなく異星人。弱き者、汝の名はエビ。だからここでは、人間・異星人の区別より、むしろ信義と友愛を重んじる精神を持ち合わせているかどうかの区別が重要だ。この反転は「アバター」で使われたのと同じ。

いやになるくらいの見慣れたパターンだが、隔離地区を管理する非情な人々、異星人、隔離地区のギャングの三つ巴のシーソーゲームに緊迫感があって、かなり楽しめる。

難しいテーマを背後にちらつかせながら、実は、休日の娯楽にぴったりのエンタテイメント。最後のシーンで、金属で造花をつくるエビの、可愛いとさえいえそうなシーンが、緊張をうまくほぐしている。

それにしても、3年後に我々人類は一体どうなってしまうのでしょうか。へたをすると滅亡です。(笑)

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