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2010.03.21

「ハート・ロッカー」

イラクでの爆弾処理班の活動を淡々と描いた作品。これがなぜ賞をいくつも取っているのかわからない。以下ネタバレ。

公式サイトには、マスコミ各紙によるレビューが並んでいるが、それはすべて米英メディアのもの。戦争当事国の人間ではない私には、この作品のどこが評価に値するのか、率直に言ってわからない。想像で言えば、身近な人を戦地に送り出している人達には、何か感じるところがあるのだろうか。それとも、彼らにとっても、これは単に何か政治的な意図を持った映画というだけのことなのか。

ひとつ言えそうなことは、これはディスコミュニケーションを描いているように見えるということだ。イラクの普通の人と米兵の間の絶望的な行き違いが、そこかしこに見える。爆弾処理を遠巻きに見物しているだけの普通の人達が、携帯で起爆装置を作動させるテロリストかもしれないという、避けようのない猜疑心が、一発も撃ち合うことのない米兵をひどく消耗させる。映画を見ている方も疲れる。

銃を向けてくる相手であればむしろ、殺す意志と実体が明確に感じられる分、わかりやすい。映画の中にもその場面は一応あるが、それでさえ、ほとんどの時間は、居ないかもしれない敵との睨み合いで終わる。

ゲリラ戦とも呼べない、対爆弾テロという作戦が、まともな神経には耐えがたい消耗になるということがよくわかって、ひどく疲れる映画。

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