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2010.03.14

「花のあと」

藤沢周平の様式に立脚してしっかりつくられた小品。せりふの少なさを生かした間のとりかたの確かさが、万事しきたり中心の泰平の世に穏やかに暮らす人々の淡い情熱を、的確に描き出す。このゆっくりした時間の流れに慣れれば、よい作品といえる。以下ネタバレ。

時代劇というものは、現代の日本人に、メンタリティのお手本を示すような形で、しばしば取り上げられるように思う。この作品も、清貧と義、人としての何々という世界観の中で、概ね完結している。それを受け容れられる観客にとってはよい作品ということになる。その中で、むしろその世界からはみ出している、主人公の許婚、才助という男の憎めないキャラクタを、私は気に入ったけれど、それでさえ、万事調整型のリーダーのもとでものごとが収まっていた時代の話に過ぎないという気もする。そうした才覚はもちろん現代でも貴重だが、それだけで済まない複雑さ多様さを、我々は抱えているだろう。

主人公の以登を演じた北川景子は、和服と日本髪のかつらが、もうひとつしっくりこない感じがしたが、道着を着たときの印象の方が強かったせいか。

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