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2010.01.17

「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」

原作はベストセラーのミステリー三部作だそうな。そんなことは露知らずに観ても十分楽しめる。ミステリよりはむしろ社会派映画の側面の方が強く出ているだろうか。以下ネタバレ。

はじめの1/3くらいまでは、主人公の女と男の話がまったく無関係に進んでいくので、これがどう繋がっていくのか訝しみながら観ることになる。ここは少し辛抱が必要なところ。中盤あたりから、両者が出会い協力するようになっても、女の方の初めのあたりのエピソードの位置づけが依然としてよくわからない。ところが、事件が解明されて、失踪した女の動機と、主人公の女の過去がわかると、全体の絵柄がふいに見えたようになって腑に落ちる。このあたりの構成は原作の力なのだろうけれど、うまい。

この映画には、欧州映画に欠かせない素材としてのナチスドイツと、もう一つのテーマが重なり合っている。デンマークという国は、文化的には兄貴分だと思っていたドイツに突然侵略された過去を持つと聞いていたが、この二つのテーマの重なり具合は、とりわけあの国の観客の琴線に触れるものがあるのかもしれない。子供を大切にする日本人の感覚としては、やや縁遠いけれど、西洋人が児童ポルノにあれほど敏感に反応する背景がなんとなく理解できる。

米国映画とは違う、欧州映画特有に思えるグロい部分もあって、これは何に由来するのだろうと思ったりもする。民族の変転の末なのか、疫病流行を経た後の諦念なのか、カソリックの爛熟と退廃なのか、いろいろなものが長い歴史の中でごった煮のようになったものの匂い、とでもいうような。その匂いの中で輝くものもまたあって、その対比がよい。

エンドロールの後にオマケが付いていて、期待が膨らむ。お約束が多い割には、主人公の女のツンデレなところが魅力的で、次も観に行きたくなる作品でした。

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