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2010.01.31

「オーシャンズ」

確かに、これまでにない映像体験を味わえる。これほど接近して、ぶれもなく撮影できたのは驚異。制作費の大部分が、新しい機材の開発だったという話も頷ける。

特によいと思ったのは、マッコウクジラが人と戯れる様子を映した映像。子供の鯨とはいえ、人のとなりでゆったりとはしゃぎまわる様に圧倒される。

これに限らず、単なる記録としてよりも、むしろ叙情的な見せ方をしている場面は多い。例えば、ホオジロザメとダイバーが並んで泳ぐ様子は、厳粛さを感じさせる。セイウチの母親が子供をだっこしながら立ち泳ぎする様子など微笑ましい。氷に開いた穴から顔を半分水中に突っ込んで様子を窺うあざらしの子供と、水の中からそれをいざなう母あざらしなどは会話まで聞こえてきそう。ダイバーの方を気にする子供に向かって、母親が、「あれはちょっと変わった泳ぎ方をする”ヒト”っていう生き物だけど、害はないから早くおいで」とか言っていそう。

哺乳類に比べて、甲殻類などは表情は読めないが、素材自体の面白みを出している。迫力があるのは大群で映っているところだが、シャコとカニの1対1の闘いも面白い。最後、あっと驚く決着がみもの。おいおい、やっちゃったよ、と双方とも思っているかも。

という具合に、結構楽しめた。

エンドロールの中に、シーシェパードの名前がちらりと見えた気がしたが、捕鯨反対などの過激な主張はむしろ少なく、作り手の大多数の抑制的な姿勢に好感が持てた。

全体に極めてゆったりした音と映像で、途中ときどき睡魔が襲ってくるので、注意が必要。

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