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2010.01.02

「誰がため」

第二次大戦下のデンマークのレジスタンスのお話。確かデンマークは、第二次大戦中も戦禍を免れ、その後の堅実な発展につながったと聞いていたが、それでも、ナチスドイツへの抵抗運動はあったらしい。予備知識といえばそれくらいしかないままで観たが、それなりに筋は理解できた。デンマークの人達にとって重大な関心事であることは間違いない、ノンフィクション映画。といっても、遠い東にいる我々には、戦後デンマーク政府が伏せていた真実が露わになるという興奮はもちろんない。二人のレジスタンスの葛藤がこの映画の見どころになる。以下ネタバレ。

軍人が仕事として破壊活動を行うのに対して、レジスタンスは信念を成就するために行う。それがたとえ殺人であっても。であってみれば、その葛藤はより深いはずだ。

この映画では、その葛藤にさらに複雑な要素が絡んでくる。二重スパイ、姿の見えない密告者、大量虐殺の指令者でありながら自国の掲げる理念を信じていない指揮官、レジスタンスの組織者でありながら権限を私怨のために使う指導者、戦後処理も考え報復行動を抑制しようとする政治家、その他にもいろいろだ。

誰もが、生き延びるための妥協を考えている。その中で、自分の体面が傷つかない方法を必死に考え巡らせている。
そして、若いレジスタンスには、それができない。

結末は予想通りの歴史的事実。信念に従って逝った者は英雄であり、生き残った者は悔悟の想いを死者への敬意として儀式化しやり過ごす。

比較的傷が浅かった国だからこそ、そうした冷静な対応が可能だったのだろうと、観る方は思う。あの戦争にも、行くところまでいってしまう結末だけではない、いろいろな様相があったのだということがわかる作品でした。

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