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2009.11.07

「PUSH」

超能力者が敵味方に分かれてたたかう超人もの。銃撃戦などは超人もの特有の派手さがあるが、それ以上に、”PUSH”と呼ばれる種類の能力者がもたらす幻惑がこの映画の肝。その幻惑を実社会に引き映して観れば、それなりに気づきがあって面白い。以下ネタバレ。

人の記憶を改編するというと、ひどく邪であり得ない超能力のように感じるけれど、教育というのはある意味で、長い時間をかけてそれと似たようなことをやる。メディアもそうだ。あるいは、最近ニュースにもなった冤罪事件などは、記憶の捏造と見ることもできる。

この映画は、そんなしかつめらしい話はおくびにも出さずに、あくまで娯楽路線を貫いているが、少し深読みしながら観ると興味深い。

もっとも作り手側は、現実に行われている超能力の実験に触発されてこの映画を作ったとしているそうだから、あまり考えずに、ただ楽しめばよいのかもしれない。

いずれにしろ、MOVEのような物理的な力よりも、PUSHのような思考を操る力の方がお話しを主導しているのは、娯楽映画らしくないリアルな感覚だろう。

最後のシーンで、記憶に迷いが生じたとき行動を決定づけるのが何だったか、その落ちがよい。

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