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2009.10.25

「パリ・オペラ座のすべて」

公演の映像を一部交えながら、日常の練習風景、制作の裏側などを綴ったドキュメンタリー。見たことがないものを見られるという点で一見の価値がある。特にネタバレを気にするようなものではない。

興行的な活動の側面を映した映像は全く無い。そうした心配は世界トップのバレー団には不要なのかどうか。たぶん、それは今回のドキュメンタリー映画の目的ではないのだろう。

カメラはひたすら、ダンサー達の練習風景を追う。芸術監督と制作スタッフたちとの打ち合わせ風景がこれに挟まる。
練習の中では、振付師たちのダンサーに対する指示やサジェスチョンがたいへん面白い。関係者はみな台本のストーリーは読んでいるはずだが、やはり振付師は踊り手よりは深く読んでいるのだろう、表現に不十分なところがあると的確な言葉で指摘する。言葉だけで言う人もいれば、自分で体を動かして示す人もいる。このときは、ややオーバーアクションをとりながら、修正してもらいたいところを伝える。
バレーの重要な要素として、音楽との調和がある。速いか、遅いか、何がリードする側で何がされる側か、それが立場を入れ替えながら劇は進行していくのだが、音楽はほぼ常にリード役であるようだ。

各踊り手の習熟度や理解度が上がってくると、練習は次第に集団での調整に移行していく。ここでは、お互いのタイミングの取り方や、舞台上での位置取りなどがチェックされ、修正される。
こうして、徐々に完成度を高めて、公演初日を迎えるわけだ。

バレエというと基礎練習風景など思い浮かべがちだけれど、それとは全く異なる。
トップクラスの本物たちが作品の完成に向けて練習するとはこういうものなのか、ということを垣間見るには、よい一本でした。

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