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2009.10.19

日本航空と日本国、年金はどう違う?

日本航空の経営がずいぶん厳しいそうな。立て直すために、経費削減や不採算路線からの撤退などが検討されているらしい。OBへの年金の減額も遡上に上っている。今のところOBの反発が強く、見通しは立っていないらしい。
しかし、世界最大の自動車メーカーと呼ばれたGMも、OBへの巨額の年金支払いが経営を圧迫した末に、結果的に倒産したのだった。それを思えば、時代に合わなくなった巨額の年金支払い問題を棚上げしたままで、日本航空の経営が正常に復するとは思えない。

それでも、日本航空のような一私企業の帰趨は、一般国民には関係がないと言ってしまうこともできる。私的にせよ法的にせよ、立ち行かせる方法が尽きたのならば整理するほかないだろう。

ここで話しは変わって、日本航空ではなく、日本国のことを思い出してみたい。「う」の字が抜けただけだが、私達にはたいへん関わりが深くなる。

調子がよかったときの約束に基づいて、条件のよい年金の支払いを構成員に約束し、その結果、調子が落ちてきたいま、その支払い負担で、本体自体が押しつぶされようとしている。その点で、日本航空と日本国はまったく同じ問題を抱えている。

厚労省は厚生年金基金について、通達で「債務超過などで経営が著しく悪化」した場合に減額を認めるとしているそうだ。その考え方に準じれば、日本国の年金についても同様に、財政が著しく悪化した場合に、減額を認めることは可能なのではないか。

いまのところ役所は、年金特別会計に眠っている百数十兆円の積み立てについて、触れることはできないとして、この疑問が表面化することを抑制しているようだ。しかし、遅かれ早かれ年金制度は変更が必要になるだろうから、その流れで積立金の処分についても避けて通れない。

「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズで公共事業を槍玉にあげるのは、確かに経費削減の効果的な戦術だが、もう一つのより大きなテーマ、「高齢者から若年者へ」をスルーしては、少子化と衰退から逃れることは出来ない。


と私は素朴に思うのですが。

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