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2009.09.23

「女の子物語」

最初は、この種の展開を延々と見せられたあとにどんなドラマが待っているのだろうと、少し焦れるけれど、じきに、これを延々と見ることそのものが、この作品なのだと気づく。そうなれば、タイトルにも納得がいくし、リラックスして観ることができる。早くそれに気づくのが上手な鑑賞のしかた。以下ネタバレ。

ロールモデルの有無は人の人生をかなり左右すると思う。想像だけで無鉄砲に行動できる男の子と違って、女の子にとっては尚更、モデルの存在は重要かもしれない。この作品に登場する女の子たちに提示されるロールモデルと、彼女らのその後を見れば、そこには得心がいく。それを哀れと思うかどうかは、実はこの映画の関心事ではない。

西原理恵子は、自分自身の中の何かの力をもってそこから飛び出したという点で、やはり普通の人ではないのだろうと思う。だから、女の子時代の彼女を主人公に据えたことで、この映画が描いているものの普遍性は見えにくくなったかというと、そうではなさそうだ。

ロールモデルや各自の現実の成長がどうであれ、女の子達の友情のようなものは、確かにあるということを、この作品は、長く具体的な描写の末に、最後にきちんと描けていた。子供の頃の友情は確かにあって、世の普通の見方からすれば貧乏でかわいそうで救いの無いように見えても、それと友情の存在とは無関係だ。そのことが、観る側に確かに伝わってきた。この作品の優れている点を挙げるならば、そこだろう。
そういう可哀想な境遇も淡々と描くことで、一層、普遍的なもの引き立てているところは、西原の作風というべきなのか。

それでも最後にちょっとだけ、サプライズというか、淡いドラマが仕掛けられているが、原作にはこれはあっただろうか。もう少し諸行無常な締め方だったような気もするが、映画としてはこの方が納まりがよいことは確か。

鑑賞の仕方を飲み込めば、味のあるいい作品に思えた。

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