雑記090906
数独(ナンプレ)をときどきやってみる。以前、ある程度手法を開発して、それで middle~hard までは難なく解けるようになったのだけど、very hard は3割止まりで遠のいていた。何かのきっかけで、ふとまたやってみたら、新しい手法とちょっとした新法則を発見して、very hard も普通に解けるようになった。この新法則は、以前も発見直前までいっていたのに、よく検討しなかっただけのものだった。
一度で全部の法則を見つけ出すというわけにはいかないところが、残念な凡人の味わいと思っておこう。
いや、very hard があっさり解けるようになって、単純に嬉しい、というだけのことなのだけど。
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「積水化学、海外で戸建て住宅事業」
第1弾としてユニット住宅の生産・販売会社を10月にタイに設立して参入。周辺国への展開も検討する。2013年度に海外事業で200億円の売り上げを目指す。他のハウスメーカーが、施工には地場の工務店を使わざるを得ないのに対して、ユニット住宅は工場で9割方作るそうだから、海外展開もやりやすいのだろか。
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タイの製造業最大手サイアム・セメント・グループ(SCG)との合弁で、生産会社「セキスイ・エスシージー・インダストリィ」を積水化学の51%出資で設立する。
ひょっとして、モジュールも日本のをそのまま持ち込むのかな。だとすると、それにくっついて住設部品メーカーも生産拡大できるかも。
民主党の藤井裕久最高顧問は5日のNHK番組で、2009年度補正予算について「非常に悪い。再補正する」と述べ、秋の臨時国会で予算組み替えが必要との認識を示した。不要な予算として国の施設費や基金などを挙げ、組み替えが可能な規模は「7兆円以上になる」と指摘。子ども手当や高校無償化などに充てるとした。メモ。
”必要”ではなく”可能”という表現が使われている。
なんとなくの印象だけど、この人は別動隊なのかな。
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「ダッジ・バイパーのV10、8000cc、500馬力エンジンを搭載したモンスターバイク」
曲がりにくそう。ひらり感のないバイクはバイクと呼ぶには抵抗がある。
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「英国財務省について(最終報告)」
日経本紙「けいざい解読」の中に、財務省中堅の人の英国財務省出向時の報告書が紹介されていた。URLまで書かれているのは珍しいので読んでみた。(少々長い)
以下、面白いと感じた部分を適宜抜粋。
第一章 英国財務省の概要普通の私企業と同じ感覚か。法律を改正しなくてもできるのは機動力が高そう。
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Treasuryには設置法のようなものが無く、機構の改変は極めて容易に(それこそ、幹部のアナウンス一つで)行うことができるのである。
第二章 英国財務省の構成この部分が、この報告書では一番肝になる興味深い部分。
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顧問は事務方と大臣のインターフェイスとして重要な存在である。英国においては日本の省庁と異なり、事務方の政治との接触が極めて少ない(むしろ服務規律上、政治的な中立性を強く求められている)ため、顧問が政治的なインプリケーションについて考慮を払う役割をも果たしている。また、各省の大臣がそれぞれ顧問を有しており、顧問同士で政策の調整を行ったり、大臣の意図をサウンディングしたりすることもある。顧問の発言力は強大であるが、公式な権限を有しているわけではなく、案件について事前に顧問の了解を求めるか、顧問の意見をどの程度尊重するかは、事務方のケースバイケースの判断にも委ねられている。
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選挙によって選ばれた大臣が名実ともに行政を主導することについては、一点の曇りも無く尊重されている。また、行政官僚は、政治的に中立なプロフェッショナルとして、大臣を補佐する立場にある。しかし、そのどちらでもない、いわば曖昧な存在である顧問が、「助言」を超えて行政の「執行」にまで及ぶ力を行使することについては、懐疑的な見方も多い。
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他方、こうした顧問達の、官僚の枠にとらわれない発想力が、大臣の指導力と結びついて大胆な政策を可能にしているのも確かで、
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中立であるべき行政と、政治家とのインターフェースを、政治家が個人的に任用する「顧問」に担わせる。顧問は公的な存在ではないので自由度が高い。責任は大臣がとる。という方式のようだ。
政権が時々交代する環境に対応した、ひとつの仕組みではありそう。
文書課や各局総務課に相当する総合調整部局の欠如は、Treasuryの組織的な弱さであり、おそらくこの点では、日本の方が機能的には勝っているのではないかと考えられる。ただ、こうしたモデルでもそれなりに滞りなく業務を行っているわけであり、日本で文書課・総務課が本当に効率的に機能しているか、単なる阻害要因とはなっていないかを問い直してみることは有益であろう。コモンローの国だから、万事形式よりも実質でよいということだろうか。
次は仕組みの紹介が中心なので割愛。
第三章 英国財務省の人事制度人事の実質的な話題は、後の勤務形態・職場文化の章の方が詳しい。
第四章 業務の概観形式的な権限を持つ者が実質的に機能することが常に求められる。
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reasuryでは、政策を決定する基本的な手法として、submissionと呼ばれるポリシー・ペーパーを大臣に提出し、その決断を求める。submissionにはある程度一般的な様式があり、まさに日本における局議ペーパーのように、問題の所在(issue)、背景(background)等を説明し、議論を展開した上で、結論として採るべき政策の提案(recommendation)を示すという形が通常である。
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多忙な大臣がこうしたペーパーを昼間読む時間は無い。専用の赤いアタッシュケースに書類を詰めて家に持ち帰り、夜中に読むのが大臣たる者の責務なのである。
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大臣への提言こそが政策立案であると一般的に認識されており、大臣に実質的な采配を仰ぐ機会はより多い。
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日本の審議会が基本的に常設機関であるのに対し、reviewはある特定の案件を調査・検討するためにアドホックに立ち上げられる。
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予算の過程税制(歳入)を決めるのが主な仕事らしい。歳出は別の時期に別の手法で決めるそうな。
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Budgetの過程で最も重要なのは、前述のように、これにより発表される税制改正の内容の決定である。これは、日本のような、要望を各省庁から募り、党税調で審議するといった過程とは全く異なっている。英国では、政府の政策決定について事前に党が介入するということはなく、税制改正の決定はすべて財務大臣のGordon Brownに委ねられている。
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それにしても、法律の成立はおろか、法案作成すらしていない段階で税制改正を施行するというのは、我々の租税法律主義の感覚からは驚きに値する。
立法作業この辺も大陸法の流れを汲むと言われるわしらとはかなり違うのだろうか。
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consultation はは、日本でいうとパブリックコメント手続に相当するが、英国におけるそれは日本よりはるかに広汎に、かつ実質的に行われており、政策形成・立法の重要な過程となっている。consultation documentには、それぞれの法令改正案について、その背景、問題の所在、考えられる選択肢等について詳細に記述し、条文案も添付している。日本におけるパブリックコメントに比べると、consultationの段階での行政の姿勢は一般にはるかにオープンであり、その反応によって政策を決定・変更することも珍しくない。
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立法作業が日本と決定的に異なるのは、条文は専門のlawyerによって起案され、通常の行政官は政策を決めた上でlawyerに対して指示をするのみである点である。省令の場合であれば、担当者の指示により、その省に所属するlawyerが起案する。
政治家との関係肩書きどおりの仕事をそれぞれがするという姿勢が見える。
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英国においては、公務員の「政治的中立性」が厳格に服務規律として定められている。下院のHouse of Commonsでは与党が圧倒的多数を占めていることから、通常は政府提出法案が否決されることは無いが、非常にcontroversialな法案(例えば、与党の選挙時のマニフェストに反するものであった場合)については、与党内にも多くの造反議員が出ることがあり、そうした議員への妥協策としての法案修正も行われる。いずれにせよ、こうした議員達との交渉は大臣の仕事であり、官僚が出ていくことはない。
第五章 勤務形態・職場文化NTTデータにあれだけ金を流しているのに、相変わらずのわしらのこの状況は、一体どう説明がつくのかと。
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文書管理Treasuryでは、文書管理の電子化が徹底的に進められている。全職員共用の電子アーカイブがあり、政策決定の基礎となった文書は基本的にすべてこれに保存することとされている。
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依然として紙媒体による保存を中心とした日本のあり方では、年々膨大な書類が積み重なり、また知識の散逸が激しく、持続可能性に問題があろう。
多様性変えようと思えば変えられるらしい。
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驚かされるのは、職員のバックグラウンドの多様性である。英国財務省においては、私のような特別のアレンジで来た者でなくても、外国人の職員がかなりいる。また、イギリス人の職員にしても、ケンブリッジやオックスフォードといった有名大学を新卒で入ってきた者ももちろんいるが、こうした者はむしろ少数で、英国財務省に入る前に既にどこかで職を持っていた者が多い。また、その職や、あるいは大卒者の出身学部にしても、文学部等、およそ財務省の仕事と一見全く関係がないものも多い。
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イギリスにおいても、官僚機構のエリート主義、多様性の欠如は以前から問題視されており、これに対する真剣な取り組みの結果としてここ10年程度でようやくかなり状況が変わってきたというのが実情のようである。
勤務時間BPRで「現状の課題」として必ず出てくる話。
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日本と英国の官庁において最も異なるのは、その勤務のスタイルである。日本の官庁は、職員が長時間労働することでよく知られており、またこの環境が、女性を遠ざけている一因ともいえる。しかし、英国財務省においては、職員は夜6時前後で退庁するのが通常であり、夜7時を過ぎると閑散としてくる。
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ペーパーのやり取りは電子メールを使うことが圧倒的に多く、相対で議論するのは特に重要案件の場合のみである。また、この場合も、議論するのはペーパーに書かれた政策の中身、方向性であり、ペーパーの書き方自体についてわざわざ相対で議論することはほとんどない。ある政策について決定したい場合は、通常、電子メールでペーパーを関係者(局長、審議官、課長を含む)に一斉に送付し、期限を切ってコメントを求めるという形をとる。受け取った側は、コメントがあればメールでそれを返す。どうしてもコメントを求めたい相手に対しては当然、別途の対応をとるが、それ以外の関係者は、期限までにコメントを返さなければ、基本的に了解した(あるいは関心がない)ものとみなしてしまう。そして、大臣にペーパーを上げる際にも、”submission”と呼ばれるポリシーペーパーを秘書室にメールで送付し、秘書官から大臣に上げて大臣のコメントを求めるのが通常である。
より根本的な文化の違いとして、日本の官僚は「無限の時間」「組織の時間」の中で仕事をしているのに対し、英国の官僚は「有限の時間」「個人の時間」の中で仕事をしている。
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日本の官庁では、職員は自分で時間をコントロールすることが難しく、外部的な要請に常に支配されている。例えば案件を上げるにも、いつ上司や幹部の時間が空くかわからない。幹部の部屋に会議を申し込めば、呼び込まれるまでひたすら待ち続け、また、幹部の部屋に入れば、いつ解放されるかは、極端な話、幹部の気分次第である。その逆に、普通に仕事をしていても、いつ上司や幹部から呼びつけられるかわからないし、そのときは何をおいてもすぐに対応しなければならない。また、「勤務時間」や「残業」という概念がほとんど失われるほど、夜遅くまで職場に残るのが常態化している。英国での会議は、日本のようにペーパーを丹念に読み上げて、ひとつひとつ論点をつぶしていき、細部まで皆が合意するまで行う、といったことを行わない。ペーパーは、じっくりと読んでもらいたければ、メールで送信し、会議の外で行うのが通常である。会議自体は、要点について関係者が大まかな合意をすることが目的であり、ペーパー無しで行うことも多い。限られた時間の中で必要な意思決定だけして、細部は担当者の裁量にまかせるという形となるのである。
結びわしらもそろそろ変えることを本気で考えてみてもいいと思うけど。
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民間部門の企業と比較して、Treasuryにおいては、①時間的な拘束が比較的短く、かつフレキシブルである、②職場の人間関係、ノルマ等に関して、よりリラックスできる環境である、ということが言えるようである。
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興味深いのは、良きにつけ悪しきにつけ、日本の官庁の特徴を挙げるたびに、極めて頻繁に、「Treasuryも10年ほど前はそうだった」という返事が返ってくることである。
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