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2009.08.16

「トランスポーター3」

このシリーズはそもそも設定が優れている。運び屋を主人公にすることで、目的地と時間制限をはっきりさせて話しの運びに緊張をもたらす。旅となるので必然的にロードムービーになる。車を使うからカーアクションを自然に盛り込める。危険なものも運ぶから、カー以外のアクションも当然入る。欧州大陸が舞台だから、ちょっと走るとすぐ海に行き当たってしまう日本とはわけが違う。
そういうわけで、今回もこのシリーズの安定した水準を楽々とキープ。ジェイスン・ステイサムの肉体美とアクションも健在。以下ネタバレ。

そういう安定した枠組みの上で、1作目が人身売買、2作目がウイルスを巡る陰謀ときて、今回リュック・ベッソンが取り上げたのは、廃棄物処理の裏側。まさに旬な環境問題というテーマ。このシリーズ、その時々の時事問題を取り上げながら、水戸黄門みたいに半永久に続けることもできるのではないか。

悪役は米国企業で、討つべき敵は利益至上主義というのも、フランス人にすれば、たぶんごく普通の感覚なのだろう。といって、フランス本土が舞台になるわけではなく、選ばれたのはウクライナ。これはチェルノブイリがあるから、ということだろうか。ウクライナはロシアとの間でエネルギーを巡る諍いの影響で原発建設方向に再び走り始めたということもあるのかもしれない。

もっとも、フランスだって発電量の4分の3は原子力という原発大国だし、Co2削減のために欧州全体が原子力に舵を切っているはずだから、あんまりこのテーマで偉そうなことは言えないはず。というわけで、これは一種の社会に対する警告なのだろう。

娯楽としてもよし、社会派映画として見ようと思えばそうできなくもない、ということで、まあまあよい出来の一本でした。

それにしても運び屋フランク。そんな瘤憑きになってしまって、これからの仕事の依頼をこなせるのか。シリーズの先行きに一抹の不安がよぎる、平和な終わり方だった。

やっぱりジェイスン・ステイサムみたいな苦味走った主人公は、多少不幸にしておかないと(笑)。

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