無駄遣いの構造
「国の予算・決算は非公開」より。(一次情報の検証はしてないよ~ん)
日本の予算非公開には二つの原則があって、だめじゃん。
・詳細積算内訳は出さない
・予算の全体像は見せない
つまり形式上公開しているように見えても、判断材料にならないので実質的には非公開と同じです。
そこで議員以来、3年に渡って強く要請を続けた結果、本年ようやく総務省所管予算の積算内訳を入手しました。これは、今まで与党にも出さなかったそうです。
予想通り、予算積算は極めて杜撰でした。
10年以上も自治体予算の査定をやってきた感覚(逢坂氏は元北海道ニセコ町長)と自治体予算の現状から見ると、余裕だらけ、意味不明の計上が随所に目につきます。また、担当部署の説明は、財政に苦しむ北海道内の市町村なら、財政当局から一刀両断のうちに切り捨てられるほど曖昧でした。
国の予算情報が非公開であるとはこういう意味なのです。
日本国の予算には、もっと驚くべき事実があります。だめだめじゃん。
平成20年度地域振興費約8億円の積算内訳の適切さを判断するためには、過年度にどのように決算されたかが参考になるので、総務省に「平成16~18年度の地域振興費決算明細」を要求しました。この決算は提出済みなのですが、その資料が出ないのです。
以下の数字なら出せるが内訳は出せないというのです。
・ 諸謝金
・ 職員員旅費
・ 委員等旅費
・ 庁費
・ 地方振興対策調査費
・ 招へい外国人滞在費
・ 過疎地域集落等整備事業費補助金
・ 地域間交流施設整備事業費補助金
霞ヶ関の省庁は、夏から12月にかけて、物凄いエネルギーを投入し、膨大な資料を作成しながら、財務省と予算折衝を行い、12月に予算案が決まります。
その折衝結果が地域振興費8億円の積算明細なのですが、予算執行段階になると、予算明細通りではなく、大分類=ドンブリ勘定でお金を使っているようです。
あらかじめ補助金として5千万円を計上したと対外的に公表している予算は、そのとおり執行しますが、それ以外の予算は、予算明細通りに執行しないで、上の例では<全体として>8億円を使っているようです。
だから決算数字は提出できるのですが、決算明細は提出できないのです。つまり、予算積算明細に未計上の事業を行ったり、逆に予算明細に計上しているものも執行しなかったりしているようなのです。
反論があるのなら、予算と決算の明細を提出すれば、すぐに証明できることなのですが、少なくとも今日現在、そんな資料を見たことはありません。
ていうか、よく倒産しないな。
こんな状態の中で、マクロの視点から数兆円単位で財政の是非を論じても、あまり意味がありません。毎年、膨大な無駄が続く構造。
平成20年度の特別会計も含む予算総額は213兆円です。これは杜撰な予算積算によって計上されたものと推察しますが、仮に、この杜撰さの割合が5%程度だったとしたら、213兆円×5%=約10兆円、つまり消費税4%分に相当する金額がズサンに計上された金額になります。
私は、すべての会計に少しずつ紛れているこの余裕予算のことを、「砂金」と呼んでいます。
「埋蔵金」は、特別会計のストックであり、一度使えばなくなりますが、「砂金」は毎年のフローですから、継続的な財源になります。
多くの国民には、分かり難く、一つ一つは小額に見える反面、官僚にはそのあり場所が良く分かっており、精錬し易いので、隠し財源としては好都合です。
この無駄、というより、手元流動性とでも呼ぶ方がよさそうだけど、これが全体予算に対してどの程度の割合かということを、とりあえず知りたい。あまり小さいと全体がうまく回らないが、かといって水ぶくれしていない保証もない。
上の引用元記事は、このほかにも、予実管理上の問題などにも言及があって、読むとおもしろい。
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