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2009.06.05

「ターミネーター4」

ターミネーター三部作の抜きんでた特色は、何と言っても全編に漂う絶望感だろう。背景には、どうあってもスカイネットの発動と核戦争は避けられない絶望感。目の前には、何度倒しても再び立ち上がり追いすがってくる頑強で無機質なマシーンを止められない絶望感。それこそが、このシリーズの肝だった。そして、スカイネットとマシーンは、人間達が絶望を前にして自ら諦めることを、まるで期待でもしているかのように、ゆっくりと着実に距離を詰めてくる。機械も恐ろしいのだが、それと同じくらい、人間が絶望の前に膝を折ってしまいかねないことが恐ろしい。
その点、実際に世界の破滅が起きてしまった後を描く新シリーズは、絶望を通り越した後に来る無感覚で無痛な感触があって、これはこれでなかなかよい。以下ネタバレ。


抑えめの色調、マシーン達の非情さ、廃墟と化したかつての都市。諸々が無感覚な感じをよく出している中で、ジョンコナー以下抵抗軍の人間らしさも抑えめに描かれており、雰囲気によくマッチしていた。確かに大声を上げたり、言い争いをしたりしているのだが、まるで薄い膜を通して世界を見ているようで、独特な感じが出ていた。

ストーリーはやや雑なところがある。時間もきっかり2時間と短めで、播かれた謎の種を全部消化することは難しかったようだ。見ようによっては平板なこの展開はしかし、この新シリーズの外伝的な性格を、むしろうまく表したのではないか。作り手の意図とは異なるかもしれないが、私はそんな風に感じた。

クリスチャン・ベイルがジョン・コナーを渋く演じていたのがよかった。無感覚の機械と戦うために、自らも半ば機械のように無感覚になろうとしながら、内に秘めた人間らしさを失わない、そういう空気をきちんと出していた。

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