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2009.05.24

流浪する民族、流浪する企業

ふと、妙なアナロジーに囚われたので、書き留めておきたい。

日本の輸出型の製造業大企業のことだ。金融危機とそれに続く不景気の中で、製造業派遣の不法性が取り沙汰されマスコミなどに叩かれたことを表向きの理由に、日本国内に工場を留めておくことに「正直、嫌気が差している」との一部経営幹部の言葉が伝えられたりしている。
工場を海外に移したい本当の理由は、実は、今後円安が期待できない見通しにもあろうかとも思うけれど、それは置く。

その、嫌気が差している心情を思ってふと連想したのが、ユダヤ人の生き方だ。彼らは、つい数十年前までは、故国を持たずに様々な国に分散して、自分達の信条を最大の拠り所として生きる道を選んできた。超国家的な広がりを持ち、自分達の信条を受け入れてくれる国や地域を住処として移住を繰り返してきたと、能動的に言い換えることもできそうだ。

今日の日本の製造業大企業幹部の言い様を漏れ聞くと、ユダヤ人が採ってきた生き方にも通じるところがあるように思える。彼らは、国家という単位とその中での多様性をあまり重視せず、むしろ、合理性や勤勉さを中心とする思想的な親和性を重く見ているのではないか。世界は、彼らの工場で懸命に働く人々と、彼らが送り出す製品に群がる人々とに大きく二分されていて、必ずしも既存の政治行政の境界とは一致しないようだ。

今後、実際に製造業が国外に流出していったときに、彼らが自身の存立基盤をどのような思想のもとに構築し、どのような経典を編み出すのか、その持続性や世代を超えた継承をどうしていくのかもあわせて、たいへん興味深い現象になると思うので、注視したい。

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