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2009.04.11

「ニセ札」

敗戦後すぐの混乱期に多発したというニセ札づくりのうち、最大と言われた山梨の事件を元にしたお話し。あっさりした作品で、偽札というテーマから今の観客が想像する重苦しさはなく、案外快いテイストの小品。以下ネタバレ。

貨幣は一種の共同幻想であるらしいことが、この作品を見ていると思いだされる。実際、誰が刷ろうと、価値を交換する媒体として流通しさえすればよいわけだ。だから市井の人間が偽札を掴まされたときの正しい対処は、お上に訴えたりせず、気付かないフリをして次の人に回す、ということに尽きるのだ。全員でそうすれば、表面上は問題は起きない。

もちろん本当は、局所的には、他人が創造した付加価値をニセ札製作者がただ同然で手にする不公正とモラルハザードとか、大局的には、貨幣流通量の制御を混乱させるリスクとか、まずいことはあるだろうけれど、それはそれとして、このお話しには、ある種の楽天的な姿勢、軍国主義に締め付けられてきた価値観を、一度解放してみようか、といった軽快さが感じられて、すがすがしい。
その能天気な清々しさを一人否定して現実的であり続けたのが、途中で姿をくらました水商売の女であり、これを入れることで、他の登場人物の能天気を引き立たせているあたり、うまい。


ところで、今日ただいまは、政府紙幣だとか、無利子国債だとか、突飛なアイデアが飛び出しては消えている世の中だけれど、あれらはもし実行されたら一種のニセ札とは違うのでしょうかと、この映画を見ていると思わずつぶやきたくなる。

そういう点で、実にタイムリーな一本でした。


それを言うなら返すあてのはっきりしない国債というのはそもそも・・(笑)


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