雑記090423
今朝の日経本紙スポーツ欄で、引退したプロ野球の人の連載の中にいい話しがあった。
プロ野球選手にも例外なく年齢による衰えがきて、超人から徐々に普通の人になっていくのだけど、そのとき、超人だったときに可能だった方法論を捨てて、普通の人でもできる方法に切り替える、ということが、選手生命を伸ばすことに繋がる、といった内容だった。
それで思ったのは、例えば製造業。
日本の製造業は超一流かもしれないけど、だんだん制度疲労を起こしているようにも見える。普通の企業にはとても真似できないような高度な技術で、突き抜けた製品を送り出してきた栄光の過去はそっとしまい込んで、普通の技術力でも作れる、でも、なにかテツガクとかシセイを感じさせる、品のある製品を生み出せないものなんだろうか。
できる、というだけで実行してしまうのではなく、できるけれどあえてやらない、別の価値観に基づいて、ということがキーになる気がする。
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「オラクル、サン買収の先には」
余りに憶測も公式発表も腹落ちしないので、ついに自らオラクルの収益構造をForm 10-kを叩いて調べてみた。暇な訳では無いが、ブログネタの為に10-k見るとは、暇人の行動そのものである。いつも助かります。
HPがハードウェアにおいて行き当たった巨大化の壁を、同様にオラクルは業務用ソフトウェアの分野で感じつつあり、HPが下流に舵を切ってSIをやり出した一方で、オラクルは同じ上流であるハードウェアを、水平統合の行き着く先として、扱い出したということなのだろう。つまらないと冒頭に評してみたが、どうやら本当に狙いは公式発表通りなのだと僕は思う。HPとオラクルは、分野は違えど上流の巨人同士だが、それが池の中の鯨化した後、対照的な戦略を採りだしたのは興味深い。なるへそ。これは面白い見方かも。
サンが株主により高い買い手を見つけるという視点の他に、自社のビジネスと従業員を守りたいと少しでも考えているなら、ハードウェアビジネスで規模の利益が期待できるIBMの方が良いパートナーであったと僕は思う。もちろん、ユーザにとっては、メーカの寡占が進んでしまうよりも、天下三分くらいのバランスで競争に骨身を削ってくれる方が好ましいということに。
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「リクルートがエリア拡大する番組表無料宅配に新聞業界激震」
週刊テレビ情報紙と地域のチラシを1週間分まとめて、毎週金曜日に無料で宅配するというサービスで、エリアを急速に拡大しているのだ。日常のいろいろな局面で二極化が進んでいるという話しを信じるならば、これもその流れのひとつか。廉価な情報媒体を買う大量の中間層というものが減って、比較的高価な高級紙と、娯楽と生活防衛に的を絞った無料紙の二極に。ってほんとかなあ。
一応、先行事例らしきものを貼っておいてみる。原因は別の紙媒体ではなくてネットらしいのだけど。
「NYタイムズが本当に危うくなってきた」
今は当然のものと思われているこの2WAY プライスですが、それを常に提供するというビジネスモデルを考え付いたのです。そうなんだ。でも、この前と逆のこと言ってるような。当然、それを支える膨大な在庫管理のための資本力、ヘッジの技術が必要で、それらを用意周到に兼ね備えたソロモンブラザースが他を圧倒するのにそれほどの時間はかかりませんでした。
このソロモンの発明によりその後の国債大量発行時代にも荷もたれ、未達ひとつせずに流動性が確保され、更には同じ事を社債でも始めたために社債の流動性が飛躍的に増した(当然発行機会が増えるので相対的にコストの軽減にもつながった)ことは特質すべきで、その意味で現在の債券市場の基礎はソロモンによってもたらされてといってよいのです。
一方それまでの伝統的手法にあぐらと書いていたモルガン・スタンレーやゴールドマンはこれによりシェアーを奪われ、引き受け主幹事獲得でもポジションを積極的にとるソロモンの後塵を拝する様になるわけです。
実は両社ともディスクロージャーがうるさくなる上場なんてしたくもなんともなかったんですが、ソロモンに対抗するためには在庫を支える資本力が不可欠でした。
見方を変えただけか。
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