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2009.03.15

「ホノカアボーイ」

ホノカアとはハワイ島北部ののどかな町。オール現地ロケで撮影されたというこの作品は、その地の風景がふんだんに盛り込まれている。かつては、さとうきびやマカダミアナッツの工場を中心に栄えた町だが、いまは工場も閉鎖し、人口は都市部へ流出して、かつての賑わいを失った町の中で、1930年に建てられたというホノカア・ピープルズ・シアターを中心に、忘れ去られたような時間の流れを描く。

本土からやってくる姦しい観光客と対比することで、ゆっくりした時間の流れを際立たせながら、その中にも、仄かな感情の揺れや、枯れ切っていないエネルギーがあることを見せている。それと隣り合わせに、衰えてやがて静かに去っていくことが、何の不思議もない連続したことであると見る感性がある。

上手に年をとることを忘れてしまった都市の人間に、束の間の癒しをおすそ分けしてくれる映画。

「ホノカア」で検索して見つけた、Flickrのコンテンツ「Introduction」が、この町と映画の背景を識るのに好適。

キーニー医師によれば、現在はフィルム選び・買い付けから上映までのすべてをファミリービジネスとしてで行っているらしい。夏休みの間は、大手映画会社が配給する映画を上映するが、その他のシーズンは、平日にはインディーズや独立系のアート作品を上映している。その作品のセレクトは地元ハワイのドキュメンタリー作品から、日本映画まで多岐に渡る。足を運ぶ観客の8割以上がホノカアとその近辺の住民とあって、2週間に1回は新作を上映することになるのだ、と話していた。大変な労力であることは間違いない。
「ホノカア・ピープルズ・シアター」の歴史と、それを作品の舞台に選んだ作り手の映画への思いが多少わかった気になれて、作品が立体的に見えてくる。

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