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2009.03.21

「パッセンジャーズ」

「7つの贈り物」同様、これも宣伝のやりにくさで損をしている。一応ミステリー仕立てではあるけれど、謎解きはほどほどで、むしろしんみりする映画。以下とても書きづらいネタバレ。できれば読まずに観るのが吉です。


最初に観客にストレスを加えて、結末でそれを解きほぐし何某かの感銘を残す、というのはストーリーテリングの常套手段。それが上手にできている作品は、それだけで十分評価できる。この映画も巷の評判はいまひとつのようだけど、私には十分満足できる仕上がりだった。

プロローグの墜落飛行機の燃える残骸はなかなかよくできているけれど、派手な映像はそれくらい。その後は全体に暗めに抑えた色調が映画のトーンを決めている。出だしの病院の薄闇の中で、のっけから、アン・ハサウエイ演じる主人公の顔の白さ、唇の赤さ、目の大きさ、ひっつめた髪の緊張、その全てが異様に目立つ。もうこの時点で、これが尋常でないお話しだということはわかる。主人公の女性の相方の男も、同じく異様な光を目に宿している。この病院のシーンがすべての起点としての役割を果たしていて、ラストシーンを観ながら、この冒頭があってこそのこの結末だったなと、強い感銘を与える。なるほど、人というものはこういうプロセスを経ていくものかもしれない。

さて、それ以上は残念ながら書けない。こうしたお話しは、日本人か否かを問わず、世界のほとんどの地域で共感を呼ぶだろう。それにしても、お彼岸の時期にこれを日本公開とは、よいタイミングだった、とだけは言える。

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