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2009.02.08

「ランチェスター思考 競争戦略の基礎」

この本
ランチェスター法則をネタに現実的な戦略論を述べているリアリストの書。私のようなロマンチストは必読。たとえれば、甘い羊羹にあわせる渋いお茶。

いろいろ蘊蓄が語られているのだが、一番のエッセンスと思えるものは、これか。

計画はPDCAサイクルで確実に達成していくべきものだが、戦略は、予定通りいかなければ変える、時には、やめるべきものである。
その一方で、戦いのドクトリンは安易に変えてはならないという。含蓄のあるお話し。

綺麗にまとまった理論ではないけれど、逐一頷くところが多い。圧倒的に有利なポジションを占めている大企業には不要かもしれないが、世の中の大多数を占める中小企業、弱者としての企業にとっては、使いでのある理屈が満載。

当面、自分に関係するあたりを拾ってみる。

近代ビジネスの本質は、ニーズの多様化に、標準化で対応するものである。
ただし、全てには無理なので、対応できる範囲に顧客層を絞り込むのである。
それでも、それは、大変に難しい判断と努力を要する。
・・・・
多様化に個別に対応せよという主張は、その難しさ、ひいては近代ビジネスからの逃避である。
・・・・
近代ビジネスは標準化した商品の大量販売を追及するが、その標準化とは商品を一種類に統一してしまうものではない。
あちこち応用が効くお話し。

また、こんなのもある。

計画の達成を至上課題とするPDCAサイクル論と、戦略思考にもとづく本物の戦略論との決定的な違いは、逃げるとか、中止するといった選択肢の有無である。
これは重要。逃げ道を考えておかない戦いは原則としてない。項羽の背水の陣が永く伝えられるのは、それが稀有な成功例だから。

この本の文体はあっさり単刀直入だけど、次の部分はとりわけ身も蓋もない真実。

およそ企業にとって、先発弱者型と呼ばれる企業ほど悲しい存在はない。その悲劇は、
①弱者になっていたことに気がついていなかったこと
②自らの不勉強から後発の参入時期を予測していなかったこと
③自分を主観的に強者と思いこみ転換の発想とロジックをもちえなかったこと
④チョキ(商品構成等の見直し)の段階でカットせず、肥満型になり、本当にパーになってしまったこと
などによって引き起こされる。
まさに痛いところ。(ここで、「パー」とは無秩序に多様であること)


ほかにも、「アメリカ陸軍「戦いの9原則」」とか、「アマチュアの論理の横行」とか、参考になります。

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