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2008.12.20

「ワールド・オブ・ライズ」

原題は"BODY OF LIES"。スパイの世界の手の込んだ騙し合いを描いた・・とは見えない。むしろ、例によって反省モード真っ盛りの米国の迷いを描いたうちの1本という方が近い。以下ネタバレ。


はじめのうちは、上空から地上を監視するカメラの精度に、とにかく驚く。これでは地上を這う普通の諜報活動が勝てるわけがない・・と思わせるのがこの映画の手だ。あるいは、米国本土の安全な事務室で指示だけ出しているCIAのボスが時折出張してきて出すカードが、現地の誰も掴んでいない情報だったりするところも、金の力で動かすエージェントやハイテクを使った活動の威力をまざまざと見せつける。合衆国の向かうところ敵なし。前半までは。

にもかかわらず、ちょっとした有りがちな盲点を突かれ、最も肝心な場面でこのパワフルな仕組みは裏をかかれる。主人公大ピンチ。土壇場で救いの手を差し伸べるのは、それまで事態を傍観していたかのように見えたヨルダンの情報機関。主人公の救出はもちろん、テロの中心人物も確保する。

結局、金やハイテクを使って自分都合で押しまくるだけの米国流は、普通の庶民に密着して義理人情の種を播き、機が熟すのを辛抱強く待つ地元の情報機関に完敗、という結末に。これはどう見ても、合衆国絶賛懺悔中の一本と受け止めるのが正しいだろう。

レオナルド・ディカプリオとラッセルクロウの二人が演じるCIAの頭脳戦のように宣伝では持ち上げられているけど、実は、マーク・ストロング演じるヨルダンの情報部トップ、ハニ・サラームの気障な格好よさが際立つ。その点ではなかなかいい作品でした。演出の力もあるけど、西洋から見た東洋的な価値観をうまく画面に出していたと思う。

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