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2008.12.30

「永遠の子供たち」

本来なら鬼気迫るお話し。のはずだが、哀しく美しく泣けるお話しに昇華されている。もののあはれに親しむのは日本人だけではないらしい。以下ネタバレ。

最後まで、これはかなり怖い展開。謎に次ぐ謎が怖さを増幅する。何が隠されているのかわからない古い大きな家という舞台も、いかにも地縛霊が寄り付きそうで、いい味を出している。それ以上はちと書きづらい。これは観て、しみじみと泣くしかない。
スペイン人はこういう映画をつくるんだね。


数日経って別のことを思いついたので、補足してみる。
ラウラには、作品の結末のほかに、もうひとつの選択肢があった。ベニグナの生き方がそれだ。作り手は、暗にそうした生き方もあったかもしれないという思いを込めて、ベニグナを登場させたのかもしれない。他人の悪意によって死に追いやられた息子を成仏させることもできず、報復の繰り返しを絶つどころか、一方の当事者として生き続ける。もはや、まともな意味で生きているとは言えないかもしれない。それもこれも、不幸を背負って生まれてきた我が子への愛ゆえ。もののあはれと書いたが、より「あはれ」なのは、ラウラではなく、むしろベニグナの方ではなかったか。
ラウラは、しかし、その輪を抜けだした。そこが重要だ。何がベニグナと異なっていたか。ジェラルディン・チャップリン演じる霊媒師がその答えをラウラにだけ囁いている。
生きている者としてそれを想うのはやや荷が重い。

公式サイトによると、「パンズ・ラビリンス」の監督脚本ギレルモ・デル・トロが、今回は制作に回っている。監督はJ・A・パヨナという人。相変わらず、重いものを突き付けてくる。

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