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2008.12.29

「ミラーズ」

「鏡」はホラーの題材としてはうってつけ。異界との接点として、これほどシンプルかつ恐るべきものはない。なんといっても、それはいたるところにあるのだから。鏡を使った多くの映画と同様にこの映画も、そんな鏡の性質を生かしてそれなりの怖さを出している。とはいえ、一定の歯止めは掛かっているように感じた。鏡のような日用品を使ってあまり怖すぎるものを作ってしまうと、映画館を出た後に尾を引くだろうけれど、かなり抑制が利いている。映画にはときどき、観ているこちらの神経が擦り切れそうな限界までいってしまうものがあるけれど、この映画は十分ソフィスティケートされている。今夜怖くてトイレに行けないというほどではない。そのはずだった。最後のシーンの直前までは。以下ネタバレ。


正直なところ、アイデアや恐怖の演出も含めて、最後までかなり平凡な映画と思えた。ところが、フィニッシュで少々怖いひねりが利いていて、奈落の底を顕に見せてくれてしまう。それまでの恐怖は常に闇を伴っていたために、陽光のなかでそんな恐怖があるなど、こちらが予想もせず安心しきっている場面で、それは来る。綻びに主人公が気づく切っ掛けが、はるか前半でさりげなく語られた伏線に稲妻のように繋がって、驚愕が一気に拡大する。同時に、その伏線を語った男の顔が新聞記事の男につながって、表面的な恐怖の下によからぬたくらみの拡がりを感じさせる。

これは、続編を作ることも、ここで恐怖の物語を打ち切ることも、どちらも可能という意味でも優れている。なかなかうまい終わり方でした。

しかし落ち着いて考えてみると、こちらの世界の禍々しいものを押し付けられてしまった形の、向こうの世界の人たちが、厄介ものを元の世界に送り返そうとしていただけかもしれない、という、口あんぐりな見方もできる。

もしやこれはお笑い映画だったのか?(違

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