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2008.12.23

「ブロークン・イングリッシュ」

一応、恋愛映画ということになっているけれど、どちらかというと、パーカー・ポージー演じるヒロインの、恋に不器用で不安症を抱える三十路乙女百面相を楽しむ映画。その点で素晴らしい出来。作り手も意図的に俳優のアップを多用しているように見える。以下ネタバレ。

私が特に気に入った二つの表情のうち、ひとつは、不器用なヒロインがようやくめぐりあえたお相手のフランス男が、明日パリに帰らなければ、と言った時の、体ごと顔を背けて見せた呆けた表情。これは本物だ。どうやればああいう表情を演技としてつくれるのか。さらに表情だけでなく間の取り方も絶品。
確かにそこへ至る演出も優れていて、よけいにショックだという話しの流れは理解できるけれど、それにしてもあのシーンはすごい。大仰な顔をつくったわけではまったくないのだが。ひしひしと何か伝わってくるものがあります。

気に入った表情のふたつめは、最後の場面。人生最大の決意でパリまで追いかけて行って、結局見つけられなかった相手の男に、ニューヨークへ帰るために乗った地下鉄で偶然会い、そのまま二人で入ったバールで見せた、はにかみとも喜びとも照れともつかない落ち着かない表情の連続。これはいい。この女優さんが好きになりました。とても言葉では表現できないけど、あえて近いものを挙げるとすれば・・生きて動いている不二家のペコちゃんです。ゆめ疑うなかれ。

もうこの憎らしいくらい幸せそうな表情を見るだけでも大満足だけど、さらに付け加えると、結婚と愛についてのフランス的考え方が米国のそれと対比的に語られていて、これもよかった。"contract"という言葉が、二度使われていて、字幕は「契約」としていたけれど、直截に「婚約」という意味もあるみたい。そう訳さなかったのはかえって良かったかもしれない。

クリスマスにカップルで観るにもふさわしい、とてもよい味の一本でした。

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