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2008.11.01

「レッドクリフ PARTⅠ」

言わずと知れた三国志演義赤壁の戦い。お話しの内容については野暮な解説は不要。二部作の前編、ということになる。戦いのクライマックスは当然後編に来るから、今回の前編はいわば人物紹介とちょっとした前哨戦の帰趨を描くにとどまる。そういうわけで、これを面白いとかつまらないというのは避けることにする。配役の妙と映像の美しさを気長に楽しむためのPartⅠであると考えたい。以下ネタバレ。

トニー・レオンと金城武という配役は、孔明と周瑜の間に友情を設定するというこの監督の筋書きには、よくはまっている。孔明にはもう少し超然とした天才のイメージを漠然と抱いていたけれど、人を操る巧みさや抜群の情報収集力を考えると、この映画で描くような人がましさがある方が自然かもしれない。曹操と孫権もなかなかの雰囲気。こうした特長ある人物は描きやすく演じやすいのだろうか。

それに対して、関羽、張飛の超人コンビは、人間の俳優が演じるのは無理(笑)。この映画でも物足りなさはありありだけど、観る側の頭の中でイメージが膨れ上がったまま固定されてしまっているのだから、この点で作り手を責めるのは酷というもの。

それにしても、関羽の格好良さというのは、やはり別格。他のキャラクタが歴史上の人物として次第に巻物の中に納まっていったのに対して、この人がついには神様にまで昇格して、今も廟が各地に建てられるほど人気があるのは、確かに頷けるものがある。

さて、お話しについて一点だけ触れると、眼前の曹操を前にした孫権、劉備連合軍の結束を描くのはいいのだけれど、それを孔明、周瑜の友情と置き換えているのは少し違和感がある。二人の間には、この決戦の後に来る複雑な同盟と裏切りの未来が見えていたはずで、そこを台詞ひとつだけに丸めてしまったのは、三国志としてはどうかと思う。もっとも、それだからこそ、このタイトルは「赤壁の戦い」ではなくて「レッドクリフ」とされているのかもしれない。

さて、当初、1本で全部見せてくれるのかと思って期待を膨らませていた私は、二部作構成ということを公開直前に知ってやや勢いを削がれた。かくなるうえは、来年春公開の後編に期待大。

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