「クローン・ウォーズ」
スターウォーズシリーズの外伝風の小品。アナキン/オビ・ワンの迷師弟コンビ(笑)と、アナキンのパドワン(弟子)として派遣されてきた新人アソーカの3人の活躍を描く。ジャッバ・ザ・ハットやアミダラ姫はじめお馴染みの面々も登場。シリーズは一応完結したけど、時々思い出したように外伝を見られるのはうれしい。
全編CGの予告編を見て、なんじゃこりゃと思わないではなかったけれど、実際に観てみると違和感はほとんどない。スターウォーズサーガのファンならば見て損はない一本。以下ネタバレ。
このシリーズ独特の雰囲気を壊さずに、外伝らしく微妙に洒脱な空気を出すのに成功している。アナキンの真面目ぶりは相変わらずだが、アソーカにからかわれて内心むっとしているあたりの感じとか。本編の登場人物の性格などは、確立したそのままで、そこに、本編には無かったキャラクタからの視線を当ててみた、といった処理が巧み。
それにしても"SkyGuy"の訳が「スカ○○○○」(笑)。「スカイ坊や」とかより、なるほどぴったりくる。上手い。
その、新弟子アソーカに手こずる愛弟子の様子を楽しんでいるオビ・ワンもいい味を出している。「アナキン行くところ花火あり」とか何とか、本編では考えにくい台詞だが、この小品の中ではしっくりくる。なんと言っても、このおやじの寄り目が可笑しいです。
アソーカは、優秀だけど若さゆえの未熟さと無鉄砲さが同居している、典型的な「かき回し」キャラ。本編は一応「神話」だから、こうしたキャラクタが出てきてもちょい役にしかならないが、それに主役級の焦点を当てられるところが、本編には無い外伝の良さ。
そして、どのキャラクタも出すぎず引っ込みすぎず、絶妙のバランスでストーリーを盛り上げている。このあたり、ルーカスのチームには、語り手として優れた人がいるように感じさせる。
パチモンと勘違いされそうなCGの絵だけど、これは紛れも無く「スターウォーズ」の大河を彩る上質のエピソード。他の失敗気味のアクションアドベンチャー系シリーズものに比べて、古さを全く感じさせない基本設定の優秀さと作り手の手腕に、今回も脱帽です。
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